ミック・シューマッハが2023年もF1に留まることができるかどうか、それはウィリアムズの状況次第となるかもしれない。
■F1ブラジルGP後にハースがヒュルケンベルグの起用を発表?
7度F1王座についた伝説的元F1ドライバーであるミハエル・シューマッハを父に持つ23歳のミック・シューマッハだが、最近のうわさによれば、今シーズン限りでハースから放出される可能性が高くなっているようだ。
うわさによれば、ハースは2023年にはシューマッハと同じドイツ出身ドライバーである35歳のニコ・ヒュルケンベルグを起用することがほぼ確実だと考えられている。
少し前には、今週末にインテルラゴス・サーキットで開催される第21戦ブラジルGP(13日決勝)の前に、ハースが来季ミックに替えてヒュルケンベルグを起用することを発表することになると言われていた。だが、最新の情報によれば、発表はブラジルGP後になるだろうという。
■ウィリアムズの第一候補は21歳のサージェントだが・・・
一方、ハース同様、現時点ではまだ2023年のシートがひとつ未確定となっているウィリアムズだが、実際のところ、自分たちの育成ドライバーであり、今年はF2選手権に参戦している21歳のアメリカ人ドライバーであるローガン・サージェントを来季アレクサンダー・アルボンのチームメートとしてF1デビューさせる方針を明らかにしている。
しかし、それには条件がある。それは、現在F2選手権でランキング3番手につけているサージェントが、アブダビでの最終ラウンドを終えた時点でF1出走に必要なスーパーライセンスの発給資格を満たすだけのポイントを得ることができた場合のみだ。
仮に、サージェントがアブダビでの最終ラウンドで年間順位を大きく下げるようなことがあれば、必要なスーパーライセンスポイントが取得できない可能性も残されている。
■サージェントをブラジルGPフリー走行で起用するウィリアムズ
それゆえ、ウィリアムズでは、サージェントを今週末のブラジルGPのフリー走行に出走させることにしている。フリー走行に出走し、一定の条件を満たせば、1ポイントのスーパーライセンスポイントを獲得することができるためだ。
若手ドライバーなどがF1のフリー走行に出走する場合、通常は金曜日に行われる1回目のセッションで走行することになる。だが、今週末のブラジルGPではスプリントが開催されることになっており、金曜フリー走行の後、すぐに予選が行われることになる。このため、サージェントはスプリントのグリッドが決まった後に土曜日に行われるフリー走行2回目でアルボンのマシンをドライブすることになっている。
ウィリアムズのトラックサイドオペレーション責任者であるデイブ・ロブソンは、これに関して次のように語っている。
「ローガンがそこで得られる経験は非常に貴重であり、彼に再びチャンスを与えることは彼の将来に対するよい投資だよ」
■サージェントがだめならシューマッハにもチャンスが
しかし、ウィリアムズのチームCEOであるヨースト・カピートは、もしもサージェントがF1ライセンスを獲得できなかった場合には、シューマッハが2023年のシート獲得候補者となる可能性を認めている。
「ミックがハースに残留するのかしないのかはまだ決まっていない。だからその問題は不明なままだよ」
『motorsport-magazin.com』にそう語った64歳のカピートは、次のように付け加えた。
「ローガンがスーパーライセンスを得ることができなければ、そのときは、経験があってスーパーライセンスを持っている者なら誰もが議題に上がるだろうね」。