相次ぐアクシデントで解雇もうわさされているロメ・グロジャン(ロータス)だが、チームオーナーのジェラルド・ロペスは寛容な態度を貫いている。
2012年は「一周目の凶人」としてスタート直後に混乱ばかり引き起こしていたグロジャン。今年は前戦F1モナコGPでダニエル・リチャルド(トロ・ロッソ)と接触、次戦F1カナダGP(9日決勝)はグリッド10番手降格の処分が下されることになっている。
こうしたトラブルを受け、ロータスではGP2のタイトル保持者ダビデ・バルセッキとの交代も可能性にあげられているが、代表のエリック・ブーリエは「まだ」考えていないと微妙な答えを返す。いずれにしろ、ロペスもブーリエもグロジャン擁護派だ。
ロペスはドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にこう話す。「(モナコで)最初のアクシデントは、われわれの責任だ」
「タイヤの空気圧が間違っていて、しかもそのことを彼に伝えていなかったのだ。二番目のクラッシュはマッサ(フェリペ・マッサ/フェラーリ)のケースに似ている。二人ともピットからコースインしてきたマシンに気を取られたのだろう」
「そんなこんなでロメには余計なプレッシャーがかかってしまった。走りは速いのだが」と語るロペス。加えて、突貫作業の影響でグロジャンのマシンは完ぺきな状態で決勝を迎えられなかったのだという。
さらにロペスは、リチャルドとのクラッシュはイライラが高じて起きたと、次のように話す。
「ロメは長く誰かの後方について走れるほどのんびりしたドライバーじゃない。とりわけ、もっともっと前に行けることが分かっている状況ではね」
チームとして今後もグロジャンを信頼するというロペスだが、才能はありながら「おそまつなケガばかりするサッカー選手」とグロジャンを重ねあわせ、ニヤリと笑う。
「ロメは四輪が付いたものなら何に乗せても速い。たとえショッピングカートだろうとね」
「あれは生まれながらの才能の持ち主だよ。ほかにヒュルケンベルグ(ニコ・ヒュルケンベルグ/ザウバー)やビアンキ(ジュール・ビアンキ/マルシャ)ぐらいだろう。あんなヤツはそうそういない」
グロジャン本人は、モナコでリチャルドとの一件で、次戦グリッド10番手降格のペナルティーは「厳しすぎる」と語った。
2013年シーズンここまでを振り返ってグロジャンは、次のように話している。「記録上は思ったほど奮わないけど、モナコを除いて、ここまで自分のパフォーマンスに満足しているよ」