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ロータスの車高調整システム、ルール違反に

2012年01月23日(月)12:57 pm

F1を統括するFIA(国際自動車連盟)は、2012年シーズンに向けて開発が進められていた車高調整システム、いわゆる「リアクティブ・サスペンション」をルール違反とする見解を示した。

このシステムは昨年の11月に行われた若手ドライバーテストの際に、ロータス・ルノーGP(現ロータス)がマシンに搭載し注目を集めた。その後、フェラーリやマクラーレン、ウィリアムズといったチームも同様のシステムの開発を行っていたと報じられている。

この度FIAからルール違反との裁定が下されたこのシステムは、ブレーキキング中に車高を調整するものだ。通常、ブレーキをかけると車体の前部が後部よりも低くなる現象が起こるが、このシステムはサスペンションの働きによってそれを解消し、マシンの車高を一定にするものだった。

だが『BBC』によると、FIAは「さらなる調査と他チームからの抗議」があり、そのシステムの合法性を認めない方針に変更したとのことだ。

一部のチーム関係者はこのシステムの主な目的はブレーキ時の安定性向上だと主張している一方で、その他のチームからは空力効果の向上が真の目的であると異議が出ていた。ロータスのアイデアは、1992年にウィリアムズが導入し、大成功を収めたアクティブ・サスペンションと同様の効果を狙っていると考えているためのようだ。

このアクティブ・サスペンションは路面の起伏の変化やブレーキング時、あるいは加速時における車高をサスペンションの働きで最適化し、路面と車体底部を流れる空気の量を一定にすることで空力効果を向上させるシステムだった。

F1のルールの中には「ドライバーの動作を通じて車両の空力特性を変化させるシステムの使用は一切認められない」という項目がある。先日には、FIAがロータスのシステムにルール違反はないと判断したとの報道があった。しかし結局は、ドライバーがブレーキを踏むという「動作」によって「車両の空力特性が変化する」と判断された形だ。

FIAの報道官は『Reuters(ロイター)』に対し、ロータスのリアクティブ・サスペンションがF1の技術規定に違反していないのか複数のチームから問い合わせがあり、F1の技術担当チャーリー・ホワイティングが20日(金)にリアクティブ・サスペンションを禁止する通達を各チームに対し行ったと語った。

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