2013年シーズ開幕から4戦で、優勝を含む表彰台、リタイア、クルマのトラブルを経験し波乱万丈のシーズンスタートとなったフェラーリだが、チームの雰囲気は「落ち着いている」と長年フェラーリでテストドライバーを務めているマルク・ジェネが明かしている。
2013年F1チャンピオンの筆頭候補に挙げられているフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)のレース結果を見ても、開幕戦オーストラリアGPでは2位表彰台に立ったが、第2戦マレーシアGPで他車との接触からリタイアを喫した。第3戦中国GPで優勝するも、予選3番手から優勝を目指して挑んだ第4戦バーレーンGPではDRS(空気抵抗低減システム)が故障してその希望はかなわなかった。
直線でリアウイングの空気抵抗を減らして速度を上げるDRSが作動したまま戻らないトラブルについて、フェラーリは「DRS導入以来3年、このような問題が出たのは初めてだ」とメディア向けのプレスリリースにつづっている。
非力だった2012年型に比べてずっと競争力の高いクルマに恵まれた2013年シーズンこそ、アロンソにとっては2006年以来3度目のF1ワールドチャンピオンになるチャンスだといわれている。しかし、ドライバーズランキングトップのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)とアロンソの差は30ポイントに広がってしまった。これは、アロンソが優勝したレースでベッテルがノーポイントに終わったとしても届かないポイント差だ。
アロンソのチャンピオン返り咲きはやや遠のいたと思いきや、すべてのグランプリでチームに帯同しているジェネは、「この前はあのようなことがあったけれど」チームの雰囲気は落ち着いていると話す。
「あれは、これまで起こったこともなければ、再び起こることもない珍しいトラブルだった」
ジェネは『EFE通信』に、フェラーリは序盤の遅れを必ず取り返す、と自信を語っている。
「今年は最後までチャンピオン争いができると思う」
「目標はレッドブルだ。ロータスもとても強いチームだし、メルセデスAMGもいる」
「今年は、たくさんのチームがトップ争いをしていていいね」
チームタイトル4連覇を目指すレッドブルのヘルムート・マルコが、2013年シーズンにもっとも警戒すべきはフェラーリではなくドライバーズランキング暫定2位のキミ・ライコネンを擁するロータスだ、と発言したことに対して、ジェネは「フェラーリを警戒するべきだね」と言う。
「(マルコは)心理戦を仕掛けているんだと思うよ」とジェネは締めくくった。