フェラーリが5日(火)、第83回ジュネーブ・モーターショーでわずか499台のみの限定生産となる「ラ・フェラーリ」を世界初公開した。
パワートレインには、F1のKERSのノウハウをフル活用した「HY-KERS」を採用。800PSを発生する6,262ccのV型12気筒エンジンと、163馬力のモーターにより、合計963馬力を実現した。
この「HY-KERS」は、マニエッティ・マレッリと共同で開発された、2基のモーターが採用。1基は駆動輪を、もう1基は補助システムをそれぞれ駆動させる。また、フロアに取り付けられたバッテリーパックは、今年のF1マシン「F138」のKERSの
生産を担当している、スクーデリア・フェラーリで組み立てられたセルで構成され、個々のコンポーネントの重量とサイズを大幅に削減。この種の用途において最高レベルのエネルギー密度を維持しながら、重量はわずか60kgに抑えられた。
0-100km加速タイムは3秒未満、0-200km加速タイムは7秒未満、フィオラノ・サーキットでのラップタイムは「エンツォ・フェラーリ」より5秒速く、また「F12 ベルリネッタ」より3秒以上速い1分20秒以下というトップ・レベルのパフォーマンスを発揮する。
デザインは、フラヴィオ・マンゾーニ氏が率いるフェラーリのデザインチームが、開発段階からエンジニアと密に協力し、機能とフォルムの一貫性を厳しく追求。サイドフォルムを特徴づけるボディーの鋭く下向きに傾斜するノーズ、
力強いホイールアーチ・デザインを強調する非常に低いボンネットなどは、かつて1960年代フェラーリのスポーツ・プロトタイプに見られた堂々たる華麗なフォルムを強く想起させるものとなった。
また、ボディーにはF1マシンの影響を強く受けた空気力学と、妥協を許さないスポーティーなテール・セクションの彫刻的な処理が施された。車内には、新たに設計されたステアリング・ホイールが、主要な操作を実施可能にした。F1ギアボックス機能をクラスター状に配置しているシグネチャー・ブリッジは、流線形のウイングをつり掛けたような形状にした。
HY-KERS システム
最大合計出力:963CV
最大合計トルク:900Nm 以上
V12 最大出力*:800CV@9,000rpm
最大回転数:9,250rpm
V12 最大トルク:700Nm @6,750rpm
電気モーター出力:120Kw (163CV)
CO2排出量**:330 g/km
*ダイナミック・ラムエア作動時
**認証取得申請中
動力性能
最高速度:350 km/h 以上
0-100:km/h 3 秒未満
0-200:km/h 7 秒未満
0-300:km/h 15 秒
ICE
形式:65°V型12気筒
ボア/ストローク:94x752mm
総排気量:6,262 cc
圧縮比:13.5:1
1リッターあたり出力:128PS/リットル
サイズ
全長:4,702mm
全幅:1,992mm
全高:1,116mm
ホイールベース:2,650 mm
重量配分:フロント 41%、リア 59%
ギアボックス
7速DCT
サスペンション
フロント:ダブルウィッシュボーン
リア:マルチリンク
タイヤ(ピレリ P-Zero)
フロント:265/30 - 19
リア:345/30 - 20
カーボンセラミックブレーキ(ブレンボ製)
フロント:398x223x36mm
リア:380x 253x34mm
電子制御システム
ESC:スタビリティー・コントロール
高性能:ABS/EBD パフォーマンス・アンチロック・ブレーキ・システム/電子制御ブレーキバランス
EF1-Trac:ハイブリッド・システムに統合された、F1 電子制御トラクション・コントロール
E-Diff 3:第3世代電子制御デファレンシャル
SCM-E Frs:ツインソレノイド式磁性流体ダンピング (アルミ-ニッケルチューブ)
エアロダイナミクス:アクティブ制御