F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)の広報責任者は、F1というスポーツが組織のまとまりを欠き、統制がとれていないと述べたF1の英雄ジャッキー・スチュワートの批判を一蹴した。
F1チャンピオンに3度輝いたスチュワートは、2012年の最終戦F1ブラジルGPで黄旗をめぐる論争がぼっ発してセバスチャン・ベッテル(レッドブル)のタイトル確定に数日を要したことを引き合いに、FIAの弱さが露呈されたと指摘した。
スチュワートはF1のビジネス・ジャーナリスト、クリスチャン・シルトのインタビューを受け『cityam.com』へ次のように語っている。
「ブラジルGPでは黄旗と緑旗の判断が論争の焦点だったわけだが、なぜレース後の水曜日か木曜日になってこの問題が生じたのだろうか?」
「これは組織が機能していないことの表れで、起こるべくして起こったんだ」
「世界中が新しいF1チャンピオンを祝福していたのに、水曜日になってあんなことが起こる。まぎれもなくお粗末な組織経営の象徴だね」
しかし、FIAの広報責任者は「答えを出すべき出来事がなかっただけで、統治力の欠如ではない」と述べ、これに反論した。
「レースコントロール(レース管理者)は、この件を審議対象とみなさなかったため、スチュワード(競技委員)に照会しなかった」
しかしスチュワートは、グランプリごとにスチュワードが代わる現行のシステムを改め、少なくとも「すべてのレースに携わるスチュワードを1人」固定することで状況は改善されるだろうと考える。
スチュワートはまた、マックス・モズレーの後任として2009年からFIAを率いるジャン・トッド会長の姿勢にも言及した。
「トッドの沈黙ぶりには驚いている。彼にはもっと影響力があると期待していたんだけどね」
「時機をうかがっているのかはわからない。でも彼は賢い人間だから、きっとなんらかの理由があるはずだ」