現役時代に4度F1を制したアラン・プロストは、ライバルとして戦ったこともあるミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)が2013年もF1でのキャリアを継続させる可能性があると予想しているようだ。
プロストは1993年にF1から引退したが、そのキャリアの終盤の1991年にすい星のごとく現れた新人がシューマッハだった。そのシューマッハは現在所属しているメルセデスAMGのシートを2013年は失うことになった。
シューマッハは来季の現役続投に対して考えを重ねに重ねていたが、結果としてメルセデスAMGはルイス・ハミルトン(マクラーレン)の獲得を発表。メルセデスAMGのもうひとつのシートに収まっているニコ・ロズベルグにはまだ契約が残っているため、シューマッハがチームを離脱せざるを得ない状況となった。
このことに関して尋ねられたプロストは「彼(シューマッハ)が(2010年に)復帰を決めたことに対して、僕は肯定的ではなかった。何でそんなことをしたのか理解できないね」と答えている。
「とても個人的なレベルの選択だ」とプロストは指摘し、さらに次のように続けた。
「彼には情熱があって、まだ運転を続けたがっているのは理解しているけれど、部外者がそれを判断するのはとても難しい。誰もが自分の思う通りに人生を送るべきだからね」
「彼の立場も理解できる。でも、やり尽くしたっていつかは判断しなくてはならない」
シューマッハが近年のF1で最も大きく貢献したことは何か、という質問に対しては「(レースに対する)情熱と純粋な姿勢だ。あれくらいのレベルの人物で、それが見受けられるのは、とても素晴らしいことだ」
「彼は楽しむために運転をしている。バイクだろうが、ゴーカートだろうがね。それは彼が信頼されているからだ」とプロストは答え、往年のライバルを称えた。
その一方で以前F1に参戦していたジョーダン・グランプリのオーナーであったエディ・ジョーダンは、ザウバーがシューマッハにとって良い選択肢になると考えている。
ジョーダンは1991年のベルギーGPでシューマッハにF1デビューのチャンスを与えた張本人だ。
そのジョーダンは『Welt(ヴェルト)』紙に、「それなら合点がいく。なぜならそこ(ザウバー)での状況は(メルセデスAMG)とまったく異なっているんだからね」と語った。
「競争力のあるクルマで彼の情熱を燃やし続けるチャンスもあっただろう。しかし、メルセデスのような世界的な企業よりももっと親密な雰囲気を持った小規模チームでも、それは同じだ」
「彼にとってはうってつけの場所かもしれないね」とジョーダンは付け加えた。