現在、世界のF1ファンが注目していることのひとつは7回F1王者となった実績を持つルイス・ハミルトン(メルセデス)の去就だろう。
今季のF1最終戦アブダビGP決勝で劇的な形で8度目のF1ドライバーズタイトル獲得を逃したハミルトンがこのままF1を引退してしまうのではないかとの噂がささやかれている。
F1関係者やファンの多くは、ハミルトンはF1を去るどころか、2022年に8度目の世界タイトルを狙う意欲に満ちていると考えているようだ。しかし、その一方でハミルトンがこのスポーツに抱いた失望感はあまりに大きすぎると考える者もいる。
そして、2017年シーズンまで最高責任者としてF1を率いていたバーニー・エクレストンも、来年のグリッドにハミルトンが戻ってくることはないと考えているようだ。
「私は彼が戻ってくるとは思わない。彼の失望はあまりにも大きいよ」
スイスの『Blick(ブリック)』紙にそう述べた91歳のエクレストンは、ハミルトンの父親であるアンソニー・ハミルトンと電話で話したものの、ハミルトンの去就に関する質問には答えてもらえないように感じたという。
実際のところ、先週パリで行われたFIA(国際自動車連盟)の年間表彰式典をボイコットしたハミルトンはいまだに沈黙を守っており、ソーシャルメディアにも何も書き込まれない日々が続いている。
エクレストンは、ハミルトンはもう別の情熱を追求する時期を迎えているのだと次のように付け加えている。
「ミハエル・シューマッハと同じ7回のF1タイトルを獲得したハミルトンには、ファッションの起業家になるという夢を追求する時が来ているんだ」
しかし、現在ささやかれているハミルトンF1引退の噂は、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフがその可能性を示唆したことがきっかけとなったものであり、ハミルトン本人が実際にそれをほのめかした事実はない。
そして、F1最高責任者のステファノ・ドメニカリを始め、2022年にはハミルトンが今年と同じようにメルセデスF1マシンのコックピットにおさまり、F1単独最多記録となる8回目のドライバーズタイトル獲得を目指して戦うと信じている者も少なくないようだ。
ハミルトンが現在メルセデスと結んでいる契約は2023年までとなっている。