2005年と2006年のF1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソは、アルピーヌのドライバーとしてF1復帰した今シーズンの自分のパフォーマンスに満足しているようだ。
マクラーレンに所属していた2018年シーズン限りでいったんF1を離れ、その後WEC(世界耐久選手権)で勝利し、ダカールラリーに参戦し、インディアナポリス500マイルレースでも勝利を目指したアロンソだが、2年のブランクをへてかつて自分がF1タイトルを獲得した古巣チームであるルノーのF1ワークスチームで今年F1復帰を果たした。
だが、いかにアロンソとは言え、やはり2年のブランクは考えていた以上に厳しいものだったようだ。
「今年が始まったときは、確かに簡単ではなかったよ」
そう語ったアロンソは次のように続けた。
「僕の場合、このスポーツに復帰するにあたって、100パーセント準備が整っていたわけではないし、マシンを限界までプッシュする自信もなかった」
「それには数戦かかったと思う。おそらくバクー(第6戦アゼルバイジャンGP)までね。パワーステアリングに少し修正を加えたんだけど、フロントタイヤの感触を以前のようにつかめなかったのが一番の原因だったと思うよ」
だが、ひとたびマシンの特性をつかむと、アロンソのパフォーマンスは急速に向上し、それまでは差をつけられることが多かった自分よりも15歳年下のチームメート、エステバン・オコンをしばしば上回るようになっていた。
そのハイライトは今年の第20戦カタールGPで、2014年の第11戦ハンガリーGP以来の表彰台となる3位表彰台を記録したことだ。
また、天候にほんろうされた今年の第11戦ハンガリーGPでは、後方から猛追してきたルイス・ハミルトン(メルセデス)に数周にわたってオーバーテイクを許さず、オコンの勝利に大きく貢献する一幕もあった。
それは、これまで政治的な動きをすることが多く、チーム内の和を乱す存在だという評判のあったアロンソが、まったく違う一面を見せたレースでもあった。
アロンソは、そんな2021年シーズンを振り返りながら次のように続けた。
「自信のレベルにおいては、大きく前進できたと思うよ」
「今シーズンは僕にとって素晴らしいものだったし、正直なところ、F1に戻ってこられてものすごくうれしいよ」
「サーキットでのレースはすべて楽しめたけれど、サーキット外でも満足できたし、すべての時間を楽しむことができているよ」
「ポイントや順位の面でも2014年以降の僕のベストシーズンだと思う。だから、間違いなくいいカムバックだと思うし、2022年に向けても準備万端だよ」
キミ・ライコネンが引退したにより、2022年には7月に41回目の誕生日を迎えるアロンソがF1最年長ドライバーとなる。
アルピーヌでの復帰2年目を迎える経験豊かなアロンソが2022年にどういう走りを見せるのかにも大きな注目が集まるのは間違いない。