オランダの裁判所が、今週末に予定されている2021年F1第13戦オランダGP(5日決勝)の開催を認める判決を下した。これにより、ザントフォールト・サーキットでは最大収容人数の3分の2相当の観客を迎えてレースを開催することが確定した。
オランダGPの舞台となるザントフォールトでは、すでに政府から観客数を3分の2に抑えるという条件で開催の許可を得ていた。
しかし、オランダの環境保護団体が窒素の排出量が多いという理由でザントフォールトでのF1開催を禁止するか、あるいは無観客での開催とすることを求めて訴訟を起こしており、その審議が北ホラント州の首都であるハールレムの裁判所で行われていた。
そして、オランダGP開催を間近に控えた今週、ついにその訴えに対する判決が下されたことが明らかとなった。
この裁判に当たった裁判官は、過剰な窒素排出が懸念されるという事実はあるものの、今回の判決は「利益のバランス」を考慮したものだと述べている。
裁判官によれば、環境保護団体は周辺地域への「生態系の破壊を防ぐことに尽力している」と評価したものの、レースがギリギリのタイミングで中止、もしくは無観客での開催を余儀なくされることになれば、ザントフォールトが「非常に大きな損害を受け、破産する可能性」もあると判断したという。
判決文には、「裁判所は与えられた承認の全部または一部を停止する十分な理由を見いだせない」と記されている。
ザントフォールト・サーキットのディレクターを務めるロバート・ファン・オーバーダイクは、地元メディアに対して次のように語った。
「まるで試験を受けたような気分だよ。よくできたと思っていても、結果を待たなければならないからね。
「我々はものすごく満足しているし、今はポジティブな気持ちでオランダの大イベントを楽しみにしているよ」
オランダGPは今季のF1タイトル獲得を狙うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)にとってはホームレースであり、先週末のベルギーGPでルイス・ハミルトン(メルセデス)との差を3ポイントに縮めたフェルスタッペンが地元ファンの大声援に応えてここで一気にまたポイントリーダーに返り咲くことができるのかに注目が集まることになりそうだ。