マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルが、自分たちが経営破綻に陥るようなことはないと主張した。
最近、ロンドン高等裁判所に対しマクラーレンが運転資金の投入を求める手続きを行ったことが明らかとなった。そして、もし7月中の資金調達が不能となればマクラーレンは支払い不能の状態に陥り、破産することになると考えられていた。
しかし、今週バーレーン国立銀行がマクラーレンに対し1億8500万ドル(約200億円)の貸し付けを行うことが明らかとなった。マクラーレンの共同オーナーであるバーレーンの投資会社マムタラカトが同銀行の共同オーナーでもあることから今回の融資が実現したものと考えられている。
ともあれ、新型コロナウイルスのパンデミックによってスポーツカー販売が不振に陥ったこともあり、マクラーレンの経営状態がかなり厳しくなっているのは事実であり、すでに多数の従業員を解雇するといった動きもとっている。
だが、その一方でマクラーレンは2021年に向けてダニエル・リカルド(現ルノー)との契約も結んでいる。リカルドには契約前にこうした状況について説明はしたのかとドイツのリポーターから質問されたザイドルは次のように答えた。
「私は常に率直で隠し事はしない。それはザック(ブラウン/チームCEO)も同じだ」
「我々はオープンな話し合いを持ったし、ダニエルにはどういう状況にあるのかも教えていたよ」
「だが、我々はマクラーレンが来年もグリッドに並ぶことに何の疑いも持っていなかった」
「もちろん、困難な時期が続いている。しかし、私は常にザックと連絡を取り合っていたし、我々がいい位置にいられるための最善の投資選択肢を常に探していたんだ」
とは言え、マクラーレンでは従業員の削減とともに、予定していた新しい風洞施設やシミュレーターの導入計画なども白紙に戻している。
「実際のところ、今年あるいは来年に向けてはそのことによる影響は何もないんだ」
「この危機的状況が始まったころに我々は設備計画をすべてストップせざるをえなかったし、それは今も同じだ。今年の収入がどの程度になるかが分からない状況では慎重を期す必要があるからね」
そう語ったザイドルは次のように付け加えた。
「ご想像の通り、私はできるだけ早くすべてを再び軌道に乗せたいと主張しているんだ。我々はビッグチームに比べれば不利だからね」