ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)が、レッドブルのドライバー育成責任者として知られるヘルムート・マルコが「約束を破っていた」と語った。
レッドブルの育成ドライバーとして2018年にトロロッソ・ホンダで初のF1フルシーズンを戦ったフランス出身のガスリーだが、ダニエル・リカルドがルノーへの移籍を決めたことから2019年はレッドブルに抜擢されていた。
だが、シーズン前半に期待された結果を残すことができなかったガスリーは、第13戦ベルギー以降、今年F1デビューを飾ったばかりのタイ国籍ドライバーであるアレクサンダー・アルボンと入れ替わりに再びトロロッソに降格されてしまった。
「F1は非情な世界だし、ときには大金や政治力が物を言うときもあるんだ」
母国フランスの『L’Equipe(レキップ)』にそう語った23歳のガスリーは次のように付け加えた。
「こういう決断が下されるにあたって、そうしたこと全てを考慮に入れないのは考えが甘いよ」
ガスリーは、2020年もトロロッソ・ホンダのシートは確保できたことでレッドブル首脳たちとの関係が悪化してはいないとしたものの、シーズンの途中で降格されたときには「失望」したし「怒り」も感じたと次のように続けた。
「ヘルムートは僕にいくつか約束していたんだ。特に(レッドブルの)クルマを乗り換えることに関してね」
「さらに、彼は僕がアブダビまで(レッドブルに)いることになると言ったんだ。いくつかの約束は守られなかったよ」
「そうしたことで僕は失望したけれど、F1は単にパフォーマンスだけが重要だというわけではないことも分かっている」
「僕の方にも違うやり方ができたはずのこともいくつかあるしね」
そう語ったガスリーは次のように付け加えた。
「だけど僕はまだ23歳だし、いつかはF1チャンピオンになるという野心だって持っている。だから、今年僕に起きたことは全て勉強だったと考えることにしているよ」