ルイス・ハミルトン(メルセデス)が通算6回目のF1ドライバーズタイトル獲得に事実上の王手をかけたに等しくなってきている。
●【レース結果】F1フランスGP決勝のタイム差、周回数、ピット回数
今季のF1第8戦フランスGPが開催された先週末のポール・リカール・サーキットでもポール・トゥ・ウィンを達成したハミルトンはこれで第5戦スペインGP以降は負け知らずの4連勝で今季通算6勝目を飾っている。
元F1ドライバーであり、ブラジルモータースポーツ界の大御所としても知られるエマーソン・フィッティパルディも、もはや2019年もハミルトンがチャンピオンになるのは間違いないと考えている。
現在孫のピエトロ・フィッティパルディがハースのテストドライバーを務めていることもあり、ポール・リカールに姿を見せていた72歳のフィッティパルディは次のように語った。
「勝利するごとに彼の6回目のF1タイトル獲得が近づいてくるよ」
「運によって状況が変わることもある。だが、彼のパフォーマンスと今後のレースをベースに考えれば、最も大きなチャンスを持っているドライバーはハミルトンだ」
このフィッティパルディの見方に異論を唱える者はもはやそれほど多くはないだろう。
F1きっての名門チームであるフェラーリを抱えるイタリアのメディアも悔しさを滲ませながらもそれを認めている。
『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は「ハミルトンだけが楽しんでいる状況となれば、それはF1の終わりだ」と書き、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』も「ライバルたちにはもうタイトル獲得の望みはない」と報じている。
そして、『La Repubblica(レプブリカ)』も次のように付け加えている。
「ハミルトンだけが唯一トップに立っている。そして34歳となった今も常に新たなモチベーションを求めている。食べ物やファッションにまでね。それは、レースサーキットでは何も新たなことが起きないからだ」
一方、イタリアのメディアによるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に対する批判的な報道は相変わらず減ることがないようだ。
『Tuttosport(トゥットスポルト)』は、ベッテルはもはやフェラーリのナンバー1とは言えないと次のように報じている。
「マラネロ(フェラーリ)では(シャルル)ルクレールの方が速いのは明らかだ」
ベッテルに対して辛口コメントを行っているのはイタリアのメディアだけではない。フランスの『L’Equipe(レキップ)』はレース後のベッテルの様子に言及しながら次のように書いている。
「ベッテルはまるでずいぶん前にタイトルを諦めていたかのように微笑んでいた。彼は今後のレースにはプレッシャーや勝利への望みがない状態で気楽に臨むことになる」