ザウバーF1のチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、2019年にキミ・ライコネン(フェラーリ)を起用することになった裏にフェラーリとの取引があったわけではないと主張した。
■きっかけはライコネンからの電話
今季からアルファロメオをタイトルスポンサーに迎えたザウバーは今季シャルル・ルクレールとマーカス・エリクソンのドライバーラインアップで臨んでいるが、昨年と比べると明らかに戦力を高めてきている。
フェラーリのアカデミードライバーであり、フェラーリとの契約下にあるルクレールは2019年にはフェラーリへ昇格することが決定。そしてそのルクレールと入れ替わりにライコネンがザウバーへと移籍することも確定している。
発表のタイミングも近かったことから、この2人がフェラーリとザウバーの話し合いによって交換トレードされたような印象を受けた者がいたのも当然だと言えるだろう。
だが、バスールはスイスの『Neue Zurcher Zeitung(ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング)』からライコネン起用を決めたのはPU供給を始めフェラーリとの間に密接な関係があることによるものかと質問されると次のように答えた。
「いや、それとは何の関係もないよ」
「キミがもうフェラーリでやれないということが分かった時、彼はすでに我々との間にあった関係に目を向けたんだ」
「電話があり、会うことにした。そして彼はすぐに要点について語りたがったし、それは私も同じだった。非常にスピーディーに契約締結まで進んだよ。4日もかからなかったんだ」
■ライコネンのチームメート決定も間もなく
現在、2019年に誰がライコネンのチームメートを務めるかはまだ明らかとはなっていない。
だが、バスールはエリクソンとともに、ルクレール同様フェラーリ所属ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィが候補リストの一番上にあると認めている。
「候補者リストは、その通りだよ」
「キミとの件で忙しくしていたが、今週は2人目のドライバーのことに対処することになる」
■ザウバー躍進のカギはアルファロメオとの提携
バスールはさらに、ライコネンは当初フェラーリで達成できたような結果が出せずに苦しむことになるだろうと認めたものの、ザウバーも急速に改善しつつあると次のように続けた。
「昨年のシンガポールでは、我々は5秒劣っていたが、今でわずか2秒だ。このスポーツにおいては非常に大きな飛躍だよ」
「我々にとってカギとなったのはアルファロメオだった。彼らがいなければ、我々がライコネンを迎えたり、あるいはフェラーリのテクニカルディレクターであるシモーネ・レスタを迎えたりすることはできなかっただろう。我々はプライベートチームからメーカー提携チームにステップアップできたんだ」
そう語ったバスールは次のように付け加えた。
「とは言え、我々は今後も独立性を保っていくがね」