元F1ドライバーのマーク・ウェバーが、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)の代役としてF1モナコGP(28日決勝)に出走することになったジェンソン・バトンが、あまり真剣にそのレースに臨むつもりになれないのも無理はないと語った。
アロンソが世界3台レースのひとつに数えられるアメリカのインディ500に出走するため、同日に決勝が行われるモナコGPを欠場することになっている。
そして、その代役としてモナコでマクラーレン・ホンダMCL32のステアリングを握ることになったのが、昨年限りで現役を引退し、今年はチームのアンバサダーを務めている37歳のバトンだ。
■実車でのテスト機会を見送ったバトン
2013年までレッドブルに所属していたウェバーにとって、かつてのライバルであるバトンがモナコでのレースに備えて実車に乗るチャンスを生かそうとしなかったことが不思議だったようだ。
「彼(バトン)がバーレーンでのテストに参加しないと聞いたとき、僕は彼が真剣に考えているのかどうか不思議に思ったよ」
「僕に言わせれば、もし彼がバーレーンでテストをするよりアメリカでトライアスロンをする方を選んでいたのだとすれば、モナコでの最初の練習セッションは彼にとって警鐘となると思うよ」
そう語ったウェバーは、次のように付け加えた。
「僕は、彼が本当に真剣にそのこと(モナコ出走)を考えてはいないという印象を受けているよ」
■現実を見れば真剣さを求める方が無理
だがウェバーは、マクラーレン・ホンダが完走もままならないような危機的な状況を迎えているという現状を考えれば、モナコで1レース限りのF1復帰を果たすバトンに真剣に取り組むことを望むのも無理な話だと考えている。
「お話にならないってことさ」
そう言い放ったウェバーは、次のように続けた。
「彼(バトン)が運転する。燃料システムにトラブルを抱える。予選は16番手。(決勝は)12周かそこらしたあたりでリタイア。まぁ、そんなところだよ」
「何を言いたいかって? ジェンソンはF1チャンピオンなんだ。彼はモナコでも勝っている」
「もし勝利を争うことができるというのなら、彼だってもっと真剣にもなるだろう。だが、もし運がよければポイントが取れるかもしれないという程度では、誰も興味など示さないよ」とウェバーは付け加えた。