NEXT...F1開催スケジュール

【当時の画像30枚とイタリアGP結果表】追悼ジョン・サーティース ー 第1期ホンダF1と掴んだモンツァでの優勝

2017年03月11日(土)6:01 am

イギリス・イングランド出身のジョン・サーティース(John Surtees/1934年2月11日 ー 2017年3月10日)は、2輪のロードレース世界選手権(WGP)と、4輪のF1の両方で世界チャンピオンを獲得した唯一の伝説のレーサーだ。

●【訃報】第1期ホンダF1でも1勝のジョン・サーティース逝く・・・2輪と4輪で優勝した唯一の男の死去にF1界からも嘆きの声

2輪では、WGPで合計7回もの世界タイトルを獲得している。

■F1へ転向、フェラーリでF1世界チャンピオンを獲得

1960年(26歳)からはF1に転向し、ロータス、クーパー、ローラ、フェラーリ(F1初優勝・世界王者)、ホンダ、BRM、マクラーレン、サーティースで、1972年(38歳)まで現役で活躍した。12年間のF1キャリアで6勝を挙げている。

1963年にフェラーリへ移籍してF1初優勝を挙げると、1964年には自身初のF1世界チャンピオンに輝いた。

■エンツォ・フェラーリとジョン・サーティース


(画像:(C)Ferrari)

1967年には第1期ホンダF1に移籍し、RA300を駆りF1イタリアGPで優勝。ホンダにとってはF1で2勝目だった。

■ホンダとサーティース、長かったモンツァ優勝までの道

1967年、ホンダは、オートバイとF1でワールドチャンピオンになった世界でただ1人の男、ジョン・サーティースをF1ドライバーとして迎えた。

1967年F1開幕戦の南アフリカGPでは3位に入ったが、RA273は1967年前半で使われなくなった。
戦闘力のあるクルマにするために、シーズン途中で中村良夫(F1チーム初代監督)とサーティースが相談し、イタリアGPに向けて、全く新規の軽量化車体をローラ社でつくることを計画。ホンダからは、車体設計担当の佐野彰一をローラ社に派遣。完成したRA300は、420馬力の高出力を達成する一方で、車重は610kgに抑えることができた。

1967年9月10日、イタリアGPは歴史に残るレースとなった。最終ゴールラインでのサーティースとブラバムとの差は、わずか数メートル、0.2秒足らずで、サーティースの駆るHonda RA300がトップでゴールした。ホンダにとっては、この2年前のメキシコで勝って以来、2度目の勝利だった。

1981年は水冷F1・RA301でフル参戦したものの、優勝はつかめなかった。この年をサーティースは次のように語ったという。

「人と機械の組み合わせによる全体の競争力という観点からは、ベルギーGPとイタリアGPなど、いくつかのレースでは、ホンダは十分勝てる力を持っていた。しかし勝てなかったということは、単に運がなかったということだと思う」。

(Honda モータースポーツの最高峰に挑んだ男たち 第1期F1より)

●【画像】フェルナンド・アロンソ『Honda RA301』は「狭くてシートベルトがない」
●【画像】アロンソ、『Honda RA301』に笑顔

■Honda RA300(1967年9月)

■Honda RA300E エンジン(1967年9月)

■Honda RA300をドライブするジョン・サーティース

■1967年9月10日 F1イタリアGPスタート。中団グループの白いクルマがサーティースだ

■追い上げるサーティース

■この時代のF1にはシートベルトは無い・・・

■シートベルト無しで、車重610kg、420馬力のF1を操るサーティース

■フェラーリをオーバーテイクするサーティース

■サーティースを追うブルース・マクラーレン

■サーティース(左)とブラバムとの差は、わずか数メートル、0.2秒足らずで、Honda RA300が優勝。

■モンツァで優勝して喜ぶサーティース

(画像:(C)Honda)

■1967年9月10日イタリアGP(モンツァ)決勝結果

POS NO DRIVER CAR LAPS TIME/RETIRED PTS
1 14 John Surtees HONDA 68 1:43:45.000 9
2 16 Jack Brabham BRABHAM REPCO 68 +0.200s 6
3 20 Jim Clark LOTUS FORD 68 +23.100s 4
4 30 Jochen Rindt COOPER MASERATI 68 +56.600s 3
5 36 Mike Spence BRM 67 +1 lap 2
6 32 Jacky Ickx COOPER MASERATI 66 +2 laps 1
7 2 Chris Amon FERRARI 64 +4 laps 0
NC 22 Graham Hill LOTUS FORD 58 DNF 0
NC 24 Giancarlo Baghetti LOTUS FORD 50 DNF 0
NC 6 Jo Siffert COOPER MASERATI 50 DNF 0
NC 4 Bruce McLaren MCLAREN BRM 46 DNF 0
NC 26 Jo Bonnier COOPER MASERATI 46 DNF 0
NC 34 Jackie Stewart BRM 45 DNF 0
NC 18 Denny Hulme BRABHAM REPCO 30 DNF 0
NC 12 Guy Ligier BRABHAM REPCO 26 DNF 0
NC 38 Chris Irwin BRM 16 DNF 0
NC 10 Ludovico Scarfiotti EAGLE WESLAKE 5 DNF 0
NC 8 Dan Gurney EAGLE WESLAKE 4 DNF 0

■ファステストラップ
Car20 ジム・クラーク(LOTUS CLIMAX)26周目 1:28.500

■スターティンググリッド

POS NO DRIVER CAR TIME
1 20 Jim Clark LOTUS CLIMAX 1:28.500
2 16 Jack Brabham BRABHAM REPCO
3 4 Bruce McLaren MCLAREN BRM
4 2 Chris Amon FERRARI
5 8 Dan Gurney EAGLE CLIMAX
6 18 Denny Hulme BRABHAM REPCO
7 34 Jackie Stewart BRM
8 22 Graham Hill LOTUS CLIMAX
9 14 John Surtees HONDA
10 10 Ludovico Scarfiotti EAGLE CLIMAX
11 30 Jochen Rindt COOPER MASERATI
12 36 Mike Spence BRM
13 6 Jo Siffert COOPER MASERATI
14 26 Jo Bonnier COOPER MASERATI
15 32 Jacky Ickx COOPER MASERATI
16 38 Chris Irwin LOTUS BRM
17 24 Giancarlo Baghetti LOTUS CLIMAX
18 12 Guy Ligier COOPER MASERATI
前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック