元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが、これからメルセデスAMGの2人のドライバーによる今季のF1タイトル争いを見守っていきたいと語った。
■強いほうが勝つとベルガー
ベルガーがニコ・ロズベルグの代理人としてメルセデスAMGとの来季以降の契約延長交渉に携わっていたのはよく知られているところだ。当然、ベルガーはロズベルグを応援しているはずだと考えるのも自然なことだろう。
だが、契約交渉代理人としての役目を終えたベルガーは、これからは公平な立場でレースを見ていくつもりだと母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「私としては、これからはまたスポーツを楽しむだけさ。うまくやったほうが勝つだろうね」
過去最多の21レースで行われている2016年シーズンだが、すでに15レースが終わり、残すところあと6戦だ。逆に言えばあと6レースも残っているわけで、ロズベルグが今の勢いを保って初タイトルを獲得するのか、あるいはディフェンディングチャンピオンのルイス・ハミルトンがまた逆転して3年連続で4度目のタイトルを手にするのかを占うのは難しい状況だ。
■ハミルトンに勝つことがロズベルグの評価に結び付く
だが、シーズン前半終了前にランキングを逆転されたものの、後半に入ってからの3レースで優勝を飾って波に乗るロズベルグのほうが現時点では少し有利な立場にあるのは間違いないだろう。そして、もしロズベルグがこのままハミルトンに勝ってタイトルを獲得することができれば、ロズベルグの評価が大きく上がることになるだろうとベルガーは考えている。
「ニコが勝てるというのは外部に対する大きなメッセージだね」
そう語ったベルガーは、次のように続けた。
「なぜならルイスは難敵だからね。これまで見てきたドライバーの中でも最高レベルだよ。信じられないくらい速いし、とてつもなく攻撃的だ」
■ロズベルグにも十分チャンスはある
そのハミルトンに対し、ロズベルグがリードを保ったまま最終戦アブダビGP(11月27日決勝)でチェッカーフラッグを受けることができると思うかと尋ねられたベルガーは、次のように答えた。
「もちろんできるさ」
「彼には2年前にもそのチャンスがあったが、最後のレースでそれを逃していた。今年もまた彼にはそのチャンスがある」
「だけど、もちろんルイスのことを過小評価するわけにはいかない。彼がもう一度突然奮起するかもしれない。もちろん、彼にも弱点はある。前回のレース(シンガポールGP)のようにね」
そう語ったベルガーが、次のように結んだ。
「だから、最後に上に立っているのが誰になるのかは、様子を見ていくしかないね」