先週末に行われたF1ドイツGP決勝ではルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が4連勝を達成。一時はチームメートのニコ・ロズベルグに43ポイント差をつけられていたが、逆に19ポイントのリードを奪って夏休みを迎えることになった。
●【F1ドイツGP決勝結果】順位、タイム差、周回数、ピット回数
今シーズン序盤こそロズベルグに4連勝を許し、苦しい立場に追い込まれていたディフェンディングチャンピオンのハミルトンだが、両者がクラッシュしていずれもリタイアとなった第5戦スペインGPを境に形勢は完全にハミルトンの方に傾いている。
■ハミルトンのF1タイトル3連覇が濃厚だとメディア
こうした状況を受け、メディアもハミルトンが今年タイトル3連覇を達成する可能性が高くなったと考え始めているようだ。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、「彼(ハミルトン)は勝つための機械になった」と形容。
スペインの『Marca(マルカ)』は、7月中に行われた4レースで一度も勝利を手にすることができなかったロズベルグにとってはまさに「平手打ちを食らった」ようなものだったと書いている。
さらに、ロズベルグの母国ドイツの『Bild(ビルト)』は、「チックタック・・・・タイトルは消えた?」と、ロズベルグのタイトル獲得のチャンスが今にも消えてしまいそうだとの不安をあらわにしている。
ドイツGP決勝後のホッケンハイムでは、メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)も、ハミルトンは「調子のいい日には無敵だよ」と語ったという。
■ナンバー1の座に就くべきは自分だとハミルトン
ヴォルフがそう語ったと聞かされたハミルトンは、次のようなコメントを行っている。
「彼(ヴォルフ)がそんなことを言ったなんて知らなかったよ。僕は自分が無敵だなんて感じたことは一度もないよ。だけど、最高に調子がいいときには、ナンバー1の座に就くべきなのは僕だと確かに感じるね」
2006年にスーパー・アグリのドライバーを務めたことがある元F1ドライバーのフランク・モンタニーは、ロズベルグはホームレースのドイツGPで精神的に大きな打撃を受けたのは間違いないだろうと見ている。
3回のフリー走行すべてでトップタイムをマークし、予選でもポールポジションを獲得してみせたロズベルグだが、決勝ではスタートに失敗して4番手に順位を下げると、その後も前を走るレッドブル勢を攻略することができず、そのまま4位でレースを終えていた。
■ロズベルグのタイトル獲得は消えたとモンタニー
「僕に言わせれば、ニコ・ロズベルグはすでにタイトルを失ったよ」
38歳のモンタニーは、『Le Point(ル・ポワン)』にそう語ると次のように続けた。
「彼がこの夏休みを本当に楽しむことができるかどうか分からないね。彼は常に今後に向けた対策を考えることになるだろうし、エンジニアたちに電話をかけたりするだろうね。そして、最終的には休んでなどいられなくなるんじゃないかと思っているよ」
「いずれにしても・・・」とモンタニーは続けた。
「ハミルトンがこの休みをさらに自分のアドバンテージにつなげていくだろうと確信しているよ」