ロータスを買収し、2016年から再びフルワークス体制でF1に臨むルノーだが、今年からすぐにいい成績を残すことは難しいだろうと考えている。
新ルノーF1チームのレーシングディレクターに就任したフレデリク・ヴァスールは、フランスの『L’Equipe(レキップ)』に次のように語った。
「移行の年について語りたいとは思わないよ。フランスでは移行期が10年にも及んだことは分かっているからね」
「我々はこれから2017年に向けて備えなくてはならない。例えば、仮に18位を争っていたとしても、ピットストップは2.4秒でこなさなくてはならないんだ。勝つための方法を学ぶには時間がかかるものだが、それはすぐに忘れ去られてしまうものだからね」
■レッドブルから学べることも大きい
「それに、我々がレッドブルに供給することを見過ごすわけにはいかない。彼らは勝ち方をよく知っているからね。彼らは最高レベルのクルマを造ることができるし、我々のエンジンはそれを手助けできるはずだ」
2010年から2013年まで4年連続でF1タイトルを獲得していたレッドブル・ルノーだが、現行パワーユニットが導入された2014年以降は低迷。これによりレッドブルは2015年限りでルノーと決別することを決めていた。
だが、レッドブルではルノーに代わるエンジンメーカーとの契約にこぎつけることができず、今年もルノーからパワーユニットを購入し、それに「タグ・ホイヤー」のブランド名をつけて戦うことになっている。ルノーとしても、レッドブルへの供給を継続することで自分たちに有益な情報がフィードバックされるという期待も大きいはずだ。
■今年も昨シーズンと同じような展開を予想
ヴァスールは、2016年にメルセデスAMGがほかのチームによってトップの座から引きずり降ろされることはないだろうと見ている。そして、今年も昨シーズンと同じようにメルセデスAMG対フェラーリのセバスチャン・ベッテルという展開となるだろうと予想している。
「現在、グリッドには22台が並ぶことになるが、勝てるのは2台だけだ。それはメルセデスAMGだよ」
「ときどき、ベッテルが勝つかもしれないがね」とヴァスールは付け加えた。