7度のF1王者であるミハエル・シューマッハは、メルセデスAMGが最強の地位に就くのに大きく貢献したと元チーム代表のロス・ブラウンが語った。
ブラウンとシューマッハは2010~2012年にワークスチームとしてF1に復帰したばかりのメルセデスAMGで共に戦った。また、その前にはフェラーリでF1史に残る黄金時代を築いた。
シューマッハがスキー事故で頭部に大ケガを負ってから2年になる日に、ドイツの『ARD』でドキュメンタリー番組が放送され、その中でブラウンは次のように語った。
「(メルセデスAMG時代には)以前のような成功は収められなかったが、彼(シューマッハ)の献身ぶりは変わらなかった」
「勝利は相変わらず彼のDNAの一部だった」
「現在メルセデスのチームが謳歌している成功に対して、ミハエルがどれほど大きな貢献を果たしたか、決して過小評価してはいけない」
また、ブラウンはシューマッハのキャリアを振り返って、F1史の中でも特に偉大なドライバーだとし、フェラーリ時代について次のように話している。
「勝てるはずのないレースで彼は優勝した」
「それをほかの誰よりも多くやってみせたのがミハエルだというのが私の意見だ」
■シューマッハにエールを送るブラウン
3日で47歳になったシューマッハだが、その病状については公にされていない。プライバシーを尊重する家族の決断についてブラウンは理解を示し、シューマッハは公私を分ける人間だったと話している。
「大衆とメディアのためのミハエル・シューマッハが1人おり、もう1人のミハエル・シューマッハはプライベートを大事にしていた」
「この2人はまったく別の人間だ」
フェラーリの内部事情に詳しいイタリア人ジャーナリストのレオ・トゥリーニは、シューマッハの状態について『Il Giornale(ジョルナーレ)』紙に次のように書いている。
「厳密に言えば目覚めている、つまり目は開いているということだ」
「しかし、周囲の状況や彼に面会を許された少数の人々を認識してはいないようだ」
「テレビでF1をやっていても反応しない」
それでも、ブラウンなど親しい友人や家族はあきらめていない。
「少数だが歩いた人がいる道をミハエルは歩んでいる」
「彼は、あれほど何度も私たちを驚かせてきたんだ」とブラウンは話している。