一昨年までF1で4連覇したレッドブルだが、今年はますます不振の度を深めている。
ルノーエンジンはトラブル続きだ。2015年は4基しか使用が認められていないエンジンだが、レッドブルは序盤の4戦を終えて早くもF1スペインGP(10日決勝)から4基目の導入を余儀なくされた。
新しいエンジンのパフォーマンスを聞かれたレッドブルのダニエル・リカルドは、「それほど恐ろしくはないとだけ言っておこうか」と冗談で切り返している。
5基目のエンジンからは10グリッド降格のペナルティーが科される。しかしルノーはピストンに関する根本的な問題をまだ解決できていないと認め、そのためパワーダウンを強いられていると話す。
「原因を突きとめるまでは控えめのセッティングで走行する」とルノーのレミ・タフィンが『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に明かしている。
■超ショートノーズ投入も効果なし?
だが、レッドブルの問題はパワーユニットだけではないようだ。
レッドブルはスペインGPに新しい超ショートノーズを持ち込み、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「傑作」と称えていた。ところがレッドブルは、予選で姉妹チームのトロロッソ2台に後れを取る結果に終わった。
「トロロッソから0.5秒後れているというのは良くないね」とレッドブルのダニエル・リカルドも認める。
「(原因は)エンジンだけじゃない」
自慢のショートノーズについても「ペースが2秒も遅いのでは、前向きなコメントはしにくいよ」とリカルド。
■予選5番手のサインツも複雑な心境
母国GPとなるトロロッソのカルロス・サインツは、自己最高位となる5番手グリッド獲得を喜びながらも、レッドブルの不振については「ちょっと訳が分からない」と話す。
「僕たちのほうが前だなんておかしい」とサインツ。
「彼らは復活するよ。改良して、また以前のふさわしい位置に戻るはずだ」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、この状況にいらだちをあらわにしているものの、自分が見込んだサインツと17歳のマックス・フェルスタッペンの活躍には顔をほころばせている。
スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』は、「彼らを信じたことで私はずいぶん批判を受けたものだよ」とマルコが笑顔で話したと伝えている。