F1統括団体FIA(国際自動車連盟)は、新たに規定した2016年以降のスーパーライセンス制度について、柔軟な運用を示唆している。
2015年から17歳のマックス・フェルスタッペンがデビューすることを受け、FIAはF1出走に必要なスーパーラインセンス発給の要件をより厳格に規定し、経験や実績をポイントに換算するシステムを導入する。
しかしこの制度では、ジェンソン・バトン(マクラーレン)やキミ・ライコネン(フェラーリ)といったチャンピオン経験者もデビューできなかったことになり、ウィリアムズのテストドライバーであるスージー・ヴォルフなども出走できない。
また、7回F1王者に輝いたミハエル・シューマッハは、いったん引退したあと2010年に復帰したが、これも過去3年間の実績がないために除外されることになる。
こうした問題について、FIAが「ルールはより厳しいものとなったが、例外が認められる可能性を認めた」とイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙が伝えている。
シューマッハのようなケースは、特例として世界モータースポーツ評議会で「検討」されるとFIAは述べているという。
■Auto GPもポイント制度に不満
また、多くのF1ドライバーを輩出しているフォーミュラ・ルノー3.5シリーズのポイントが低く設定されていることについて、ルノーがFIAに不服を申し立てたと伝えられている。
同様に、ヨーロッパで行われているAuto GPも、ポイント対象になっていないことに不満を持っているとロシアの『Championat(チャンピオナート)』が伝えた。
「われわれも加えられて当然だ」とAuto GPのプロモーターであるエンツォ・コローニ。
「パワフルなクルマで、ルノーのワールドシリーズと似ている。従って、スーパーラインセンスのポイントシステムにわれわれを含めてしかるべきだ」
「明確な説明を求めたところだ。イタリアのモータースポーツ連盟も支持している」
日本人ドライバーの佐藤公哉はAuto GPに参戦し、2013年は年間2位、2014年はチャンピオンを獲得している。