ホンダは、12日に2015年北米国際自動車ショーでアキュラブランドとして新型「NSX」を世界初披露。その全貌が明らかとなった。
初代NSXの登場から25年という節目を迎えて発表された新型NSXは、新開発の直噴V型6気筒ツインターボエンジンをミッドシップレイアウトで配置するとともに、走りと燃費性能を両立した高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステムである「スポーツハイブリッドSH-AWD」を搭載した新しい価値を提案するスーパースポーツモデルとして登場した。
この「スポーツハイブリッドSH-AWD」は、ドライサンプ潤滑方式を採用した直噴V型6気筒ツインターボエンジンと、高効率モーターを内蔵した9速デュアルクラッチトランスミッションをミッドシップレイアウトに配置し、前輪の左右を独立した2つのモーターで駆動するツインモーターユニットと組み合わされることで四輪の駆動力を電動で制御するシステムを搭載したハイブリッドシステムだ。このツインモーターユニットは、プラスのトルクのみならず、マイナスのトルクをも自在に制御する高度なトルクベクタリングを実現。これにより全速度域でのライントレース性が画期的に高められたものとなっている。
エクステリアデザインはエキゾチックなフォルムとスーパーカーの機能性が高次元で融合され、キャビンフォワードなパッケージングが実現されている。エクステリアデザインを構成する各部は、安定性を高めるダウンフォースの発生や、エンジン冷却のための効果的なエアフローマネジメントなどの機能を高いレベルで達成。オハイオにある最先端の風洞実験施設で重ねられたテストにより、高い空力性能が実現されている。
また、「ヒューマン・サポート・コックピット」というコンセプトで仕上げられたインテリアは、ドライバーが運転に集中できるデザインが追求されたものとなっている。格段に優れた前方視界や、カラー液晶ディスプレイによる優れた視認性を実現したメーターパネル、シンプルで直感的なインターフェース、サポート性や乗降性に優れた人間工学に基づくシートなど、により、乗る人を中心に据えた開発コンセプトの具現化が図られている。
世界初のオールアルミニウムボディーのスーパーカーであった初代NSXのDNAを継承した新型NSXでは、革新的な複合素材ボディーを採用。アルミニウムや超高強度鋼板、その他の先進素材などを革新的な結合技術によりユニット化したスペースフレームデザインにより、ねじれ・曲げ剛性が大幅に向上。また、強度な鍛造素材と柔軟性のある素材の結合を実現した世界初の鋳造技術により、アルミニウムと超高強度鋼板によるボディーパネルがカーボンファイバー製フロアと高精度に結合され、ボディーの大幅な軽量化も実現されている。
オールアルミニウム製の独立懸架前後サスペンションは、フロント19インチ、リア20インチサイズのタイヤ/アルミホイールと組み合わされ、極めて高い動力性能を発揮。また、フロント6ポット、リア4ポットのモノブロックキャリパーとカーボンセラミックブレーキディスクは強力かつナチュラルなフィールの制動力を実現する。さらに、ドライバーの要求に応えて「Quiet(クワイエット)」、「Sport(スポーツ)」、「Sport+(スポーツプラス)」、「Track(サーキット)」の各モードをダイヤル操作で切り替え可能な「インテグレーテッド・ダイナミック・システム」も導入され、エンジン、モーター、トランスミッションやシャシーのレスポンスを高精度に制御することが可能となっている。
この新型NSXは米国オハイオ州のメアリズビル四輪車工場の隣接地に位置するアキュラの「パフォーマンス・マニュファクチュアリングセンター」で量産され、2015年後半に米国での発売が予定されている。米国での販売価格は約15万ドル(約1,780万円)からとされており、今年夏から受注が開始される予定だ。