FIA(国際自動車連盟)が、安易にF1スーパーライセンスを取得できないようにするために、ポイント制を導入することが明らかとなった。
今年、カートを卒業してからわずか1年のマックス・フェルスタッペンが17歳でトロロッソからF1ドライバーとしてデビューを飾ることになっているが、これに関しては大きな批判の声も上がっていた。これを受け、F1統括団体であるFIAは、今後F1に出走するために必要なスーパーライセンスの発給要件を厳密化し、以後はあまりにも若くて経験値の低いドライバーへのライセンス発給を制限する動きに出ていた。
これにより、2016年からは、F1ドライバーになるには少なくとも年齢が18歳に達しており、有効な自動車運転免許を保持するとともに、下位カテゴリーのフォーミュラカーシリーズにおいて最低限の経験を持つとともに、一定の成績を残していることが求められることになる。
そして、新たにポイント制が導入されることで、このルールの運用がさらに厳密なものとなるようだ。
新たな制度によれば、2016年以降にスーパーライセンスの発給を受けるためには40ポイント以上のポイント獲得が必要となるという。例えば、フェルスタッペンは2014年にデビューしたヨーロッパF3選手権でシリーズランキング3位となったが、2016年以降であれば、これによって得られるポイントは20ポイントということになる。
FIAの管理するフォーミュラシリーズ中、現在最もF1に近い位置にあるとされるGP2シリーズでチャンピオンとなると50ポイントが与えられ、ランキング2位のドライバーにも40ポイントが与えられることになる。
さらに、ヨーロッパF3、WEC(世界耐久選手権)の最高峰カテゴリーであるLPM1、そしてアメリカのインディカーのチャンピオンにも40ポイントが獲得できることになるとされている。
また、2012年をもって開催が停止されているものの、仮にF1直下の下位シリーズであるF2選手権が復活し、そこでチャンピオンとなると最高の60ポイントが付与されることになるという。
一方、GP3やフォーミュラ・ルノー3.5シリーズでは、チャンピオンとなったとしても30ポイントしか得られないことになり、今年フェルスタッペンとともにトロロッソからF1デビューを飾ることになったフォーミュラ・ルノー3.5の2014年度チャンピオンであるカルロス・サインツJr.も、もしそのルールが今適用されていればF1デビューが認められないことになる。