F1の表舞台から姿を消して久しい、フラビオ・ブリアトーレ。しかし、今もバーニー・エクレストンとは友人で仕事上のつながりもある。何より彼は、F1人気のテコ入れにエクレストンが今年導入したF1最終戦アブダビGPのポイント二倍制度のよき理解者だ。
ポイント二倍は、最終戦のゴールぎりぎりまでタイトル争いを生かしておくのが狙いだ。今も大きな議論の的で、そのほとんどは否定的である。
同制度の恩恵をいちばん受けているはずのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)さえ、決して快く思っていない。
「何かわざとらしい。全体的に気に入らないね」と、F1第18戦ブラジルGP終了後に語ったロズベルグ。
「まだタイトルの望みをつなげることができてよかったと思うが、それは単に点差の話だ」
追われる側の選手権リーダー、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は最終戦アブダビを前に、この新しい制度は「公平」ではないといっていた。ロズベルグとの差は17ポイント。例年なら、タイトルはもう決まったも同然だ。
彼らのボス、トト・ヴォルフは先週末のブラジルGPで、ポイント二倍に対するエクレストンの考えは変わったと思うと話していた。もともとは最終三戦に導入したがっていたはずだが。
F1公式ウェブサイトの対談インタビューでハミルトンはエクレストンに向かって、「どうせならその(最終三戦でポイント二倍)ほうがいいし、より公平だ」と話していた。
報道陣に対してヴォルフは、こう話す。「それはバーニー(エクレストン)が受け入れないだろうね。恐らく来季は廃止すべきだろう」
ところが、ポイント二倍に賛成の者だっている。前述のブリアトーレである。
彼はイタリアのラジオ局『RAI』に今週、こう語った。「ポイント二倍は、賢い戦術だ」
「今後二週間、人々の話題は、それ一本に絞られるだろう。バーニー、素晴らしいよ」と、ブリアトーレ。「さぞかしアブダビはいい話の種になるだろう」