キミ・ライコネン(フェラーリ)は、先週末のF1ハンガリーGP(第11戦)をきっかけにフェラーリが常にトップ争いができるほどに改善できるとは思っていないようだ。
今シーズン前半は苦戦が続いていたライコネンだが、ハンガリーGPでは予選でチームが犯した作戦ミスにより16番手という苦しい位置からのスタートとなったものの、追い抜きが難しいとされるハンガロリンクで今季自己最上位となる6位でレースを終えた。
チームメートのフェルナンド・アロンソも、終盤タイヤが摩耗したことによってダニエル・リカルド(レッドブル)に追い抜きを許して優勝こそ逃したものの、やはり今季最上位の2位表彰台をゲットしている。
F1は次戦ベルギーGP(8月24日決勝)まで、約1か月近い夏休みを迎えている。
だが、フィンランドのメディアはライコネンのハンガリーGP決勝後のコメントを次のように紹介している。
「この3週間か4週間で状況がそれほど変わるとは思えないよ。来年にはよくなると思う」
「今日の結果はうれしいけれど、全体的な成り行きにはかなり失望しているよ。今後は同じ間違いを犯さないようにする必要がある」
そう語ったライコネンは、次のように付け加えた。
「僕はフェラーリを信頼しているし、彼らが懸命に頑張っていることも分かっている。だから、来年は大丈夫だと自信を持って言えるんだ。来年にはまた優勝争いができるようになるはずさ」
フェラーリのチーム代表であるマルコ・マティアッチも、ハンガリーGPの結果はマラネロに本部を置くチームの士気を高めるために必要なことだったと認めつつも、今後すぐに今季の優勝争いにからむことは期待できないと考えているようだ。
マティアッチは、スペインの『AS』に次のように述べた。
「今週末の結果については慎重に判断すべきだと思っている。我々にはまだやるべきことが非常にたくさんあることを忘れてはならない」
「我々のクルマの強みや弱みも分かっているし、表彰台に上れたからといってそれが変わるわけじゃないからね」
「我々は、クルマを180℃変えていく必要があるんだ」
しかし、そのマティアッチも現在のフェラーリを構成する要素の中には、少なくとも最高のものがひとつあると次のように続けた。
「彼(アロンソ)が現在最高のドライバーであることは疑いようもないよ」
だが、ハンガリーGPでフェラーリが見せた活躍により、メルセデスAMGのニキ・ラウダ会長がフェラーリのクルマを「クソ」だと形容したことによるフェラーリとメルセデスAMGの間の反目に関しては少し和らぐことになったようだ。
問題発言で世間を騒がせたラウダは、ほほ笑みを浮かべながら次のように語った。
「今日はフェラーリのほうがメルセデスAMGよりよかった。だからまたすべて平穏に戻ったよ」