ダニカ・パトリックがダメなら「ペイドライバー」を乗せるかもしれない、と2016年からF1新規参戦を予定しているアメリカのジーン・ハースが認めた。
ハースは、2016年からF1参戦を計画している新アメリカンチームにとって、世界で最も有名な女性ドライバーだと言われるパトリックは「夢のドライバー」となるだろうと語っていた。
かつてインディカーシリーズで活躍し、日本のツインリンクもてぎでインディカー史上初めて女性ドライバーとして優勝を飾ったこともあるパトリックは、現在ハースが共同オーナーを務めるNASCARのスチュワート・ハース・レーシングに所属しており、その可能性が全くないわけではなさそうだ。
だが、現在32歳のパトリックは今週、「現在の場所に満足している」と語っている。
それと時を同じくして、61歳のハースと、そのF1プロジェクトを率いていくことになる元F1エンジニアのギュンター・シュタイナーとの間にプロジェクトをめぐる基本的な考え方に不一致があることが明らかとなってきている。
例えば、シュタイナーは、F1プロジェクトにパトリックを加えることには反対の立場だと言われている。
『Omnicorse(オムニコルセ)』のフランコ・ヌニェス記者は、「意見の相違が日々明らかになってきているが、これはその中の最新のものに過ぎない」とし、こうした考え方の相違によってシュタイナーがハースとたもとを分かつ可能性もあると指摘している。
最終的には、ハースのチームでも「中団グループ」を目指すF1チームにとって伝統的とも言える方法、すなわち、F1経験豊かなドライバーと、「ペイドライバー」と呼ばれるスポンサー資金を持ち込めるドライバーの組み合わせという形を選択することになるかもしれない。
ハースは、F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトに次のように語った。
「アメリカ人ドライバーを乗せられれば、“場外ホームラン”みたいなことになるんだろうけどね」
そう語ったハースは、次のように続けた。
「まず我々が最初に欲しいのは、恐らくはベテランF1ドライバーだろう。できれば、2014年のクルマで運転したことのあるドライバーが好ましいし、そのほうが我々の助けになると思っている」
「そして、もうひとつのシートには有望なドライバーを乗せることになるだろう。アメリカ人ドライバーかもしれないし、あるいはスポンサー資金を持ち込んでくれるドライバーになるかもしれないね」