メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフが、現在トップをひた走るメルセデスAMGのふたりのドライバーによる戦いがさらに激しさを増すだろうと語った。
今シーズンのF1は、ここまでメルセデスAMGが圧倒的な強さを示しており、決勝で1-2フィニッシュが達成できなかったのはエンジントラブルによりルイス・ハミルトンがリタイアに終わった開幕戦オーストラリアGPだけとなっている。
現時点ではレースでの優勝争いはハミルトンと、チームメートのニコ・ロズベルグのふたりに絞られている状況となっており、必然的にこのふたりの間の緊張関係が日増しに高まりを見せている。
そんな中、先週末のF1スペインGPで第2戦以降4連勝を達成したハミルトンは、表彰台上でインタビューを担当したかつてのF1チームオーナー、エディー・ジョーダンから、レースの間中無線でチームに対して文句を言いながら怒っていたようだったが、と尋ねられたときはそれを否定している。
これに関し、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対して次のように語っている。
「ルイスと彼のエンジニアとはとてもいい関係にあるよ。行き過ぎにさえならなければ、激しさを伴うのはいいことなんだ」
「ドライバーが感情的な反応を示したからといってそれを非難すべきではないと思っている。我々はルイスのことが分かっているしね」
「彼は無線を通じてだと、ときどき普段の彼とはまったく別人みたいになることがあるんだ」
ヴォルフは、ハミルトンがレース中にそうした態度を示したのは、彼自身とチームメートのどちらもがF1タイトル獲得に向けてリードをうばい、それを保ちたいと考えており、そうした欲求が反映されたものだったと語った。
ヴォルフは、ハミルトンとロズベルグのふたりが、スペインGPの週末を通じて「それぞれがお互いにリードしよう」として「ちょっとした戦い」を演じていたことを認めている。
「(チーム)全体の大きな目標に影響がない限り問題はないよ。それは普通のことだ」
そう語ったヴォルフは次のように続けた。
「彼らの間の緊張感はすでにかなり高まっているよ。だが、そうならないことを期待するわけにはいかないだろう」
「彼らはどちらも、自分が今年F1チャンピオンを狙えるだけのクルマを手にしていることが分かっているわけだからね」
「この緊張感は、今後さらに強まっていくとみているよ」、とヴォルフは結んでいる。