2014年F1ここまで好調のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。その原因は決してレースに対するアプローチの変化ではないと本人はいう。
現在3連勝中のハミルトンだが、3週間のインターバルを経た第5戦スペインGPでも予選ポールポジションを奪うなど、向かうところ敵なしの状態だ。
ハミルトンがこうした変身を遂げたのは、メルセデスAMGから図抜けたスピードを誇る2014年型車を与えられていることもあるが、より充実した私生活と、それに伴い集中力が増したことが大きいのではないかともっぱらの評判である。
ガールフレンドとよりを戻し、レースに同行するのはお抱えトレーナーのみ。有名なペットのブルドッグたちはハミルトンに帯同せず、自宅で留守番をしている。
昨年は、ペット連れでレースに臨むハミルトンを批判した英国人記者のひとりがチームの記者会見を出入り禁止となったほどだ。
マクラーレンとレッドブルの元F1ドライバー、デビッド・クルサードは、マスコミがハミルトンの姿勢に疑いを抱くのも無理はないと主張する。
「記者たちだって理由なしに疑問を投げかけたりしない」と、イギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙の定期コラムで述べるクルサード。「フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の例だってある。ハミルトンは、あのような盤石の安定性を示せていなかった。それだけの話だ」
さらにクルサードは続ける。「我々はしばらく彼(ハミルトン)を見失っていた」「そうしたところ、以前のルイス・ハミルトンが戻ってきたのだ」
だが9日(金)、ハミルトンはこれに反応する。2014年の好調ぶりは犬たちのせいでも何でもない。世界中連れて回るよりも自宅に留めておくほうが「楽だ」から。それだけの理由だという。
ハミルトンはスペインで次のように話す。「僕がスランプの年を過ごしていたとき、人々から集中力に欠けると断じられた。だいたいそういった連中は、僕が何をしていたか知りもしない。ただレースがうまく行かなかっただけなのに」
「今だってやっていることはまったく変わらない。ただ、マシンがすこぶる良いんだ。それが僕の走りを際立たせるのさ。みんな口々に”彼は仕事の鬼”とかいうが、そんなことはない。常に変わらず集中しているよ」と、ハミルトンは話していた。