2014年の主要F1チームのドライバーラインアップがほぼ固まりそうな状況となってきた。
ケータハムやマルシャの来季のドライバー体制もいまだ不確定とみなされる中、今季と同じドライバー体制で来シーズンを迎えることが確定しているのはメルセデスAMGだけだ。
フェラーリとマクラーレンではいずれも2014年のトライバーラインアップがすでに確定しており、今後ロータス、フォース・インディア、そしてザウバーといったチームのドライバー体制がどうなるのか注目されている。
これまで、今季限りでウィリアムズを離脱することが決まっているパストール・マルドナードが、4,000万ユーロ(約55億円)にもおよぶPDVSA(ベネズエラ国営石油会社)の支援のおかげで、移籍市場のカギを握っていると考えられてきた。ニコ・ヒュルケンベルグ(現ザウバー)は評価が高いものの、持参金の少なさが移籍交渉で不利になっているとされる。
マルドナードは、財政的に大きな苦境にたたされたザウバーとも交渉。だが、最終的にザウバーはマルドナードから巨額の資金を得ることはないようだ。
ザウバーでは、ロシア人若手ドライバーであるセルゲイ・シロトキンのF1デビューが条件に含まれているとされるロシア企業団との契約が、今やその実現は疑問視されており、マルドナードを失ったことは高くつくかもしれない。ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ザウバーの共同オーナーであるペーター・ザウバー(チーム創設者)とモニシャ・カルテンボーン(チーム代表)が、ザウバーを売却しなくてはならないかもしれないと報じた。
「プランCは売却だ。そして、アメリカの信頼できる投資家が興味を示しているとの情報もある」、と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は書いた。
結局のところ、同様に財政的問題を抱えるロータスも、うわさされていた投資家集団クァンタムからの出資が実現することはないとの認識に立たざるを得ず、すでにマルドナードと契約を済ませたと報じられている。
ロータスとマルドナードの契約は、今後近々のうちに発表されるとも報じられた。
そのマルドナードは、ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』へ次のように語った。
「今は、最終的な合意に至ったと思っている」
だが、マルドナードはそのチーム名を明らかにすることはなかった。
ロータスは、クァンタムからの出資が実行されれば、ヒュルケンベルグとの契約を望んでいた。しかしヒュルケンベルグは、そのままザウバーに残留するか、あるいは2012年に在籍していたフォース・インディアへ復帰するかの選択に迫られている。
ヒュルケンベルグのマネジャーであるヴェルナー・ハインツは『SID通信』に対し、その決断は「あと2、3日のうちに」行われるだろうと語った。
だが、F1関係者の間では、すでにヒュルケンベルグが24日(日)のF1ブラジルGP決勝前にフォース・インディアとの契約にサインをしたという話が広まっている。ハインツも、その契約がすでに交わされたことを次のようにほのめかした。
「彼(ヒュルケンベルグ)の気持ちはザウバーに向いている。だが、我々はザウバーの財政的状況が来年どうなるのか分からない」
「我々は九分九厘フォース・インディアと契約を結ぶことになるだろう。ザウバーが必要なスポンサーを得られるかどうか分からない場合、(ザウバーとの契約は)あまりにも危険すぎるからね」
また、ハインツは『Der Spiegel(シュピーゲル)』に対し、フォース・インディアの主要スポンサーはビジェイ・マリヤ(チーム会長兼チーム代表)であり、マリヤは「何度もチームに投資を行っている資産家」だとも述べた。
そして、ザウバーがヒュルケンベルグに代えて現フォース・インディアのドライバーであるエイドリアン・スーティルを起用し、フォース・インディアは、スーティルの後任としてマクラーレンから放出されたセルジオ・ペレスと契約を行うものと考えられている。ペレスはマクラーレン離脱とともに再びメキシコのテルメックスの支援を受けることとなり、1,500万ユーロ(約20億円)のスポンサーマネーを用意しているとも伝えられる。
そのペレスは、次のように語った。
「もちろん、そこ(フォース・インディア)も選択肢のひとつだよ。数日のうちに新しいお知らせができることを期待している」