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マッサの120億円訴訟:「ポール、ファステスト、優勝、これ以上できなかった」あの日の話は“沈黙”

2024年03月14日(木)19:16 pm

フェリペ・マッサが2008年の「クラッシュゲート」スキャンダルに対して、F1と8,200万ドル(約120億円)の訴訟を進めることについてF1関係者たちが疑問を呈している。

■マッサが賢明だと考える人は多くない

元マクラーレンとアストンマーティンのコミュニケーション責任者であるマット・ビショップがマッサの訴訟についての意見をXに投稿したことがきっかけで、元F1王者デーモン・ヒルは「もし父のタイトルを奪おうとしたら訴えてやる!」、元F1勝者のハインツ=ハラルド・フレンツェンは「僕のチームメイトは違法燃料だった」とジョークで返信し合ってやり取りを楽しみつつ、考えを改めろと促している。

そして、ヒルは「今さら変えるのは遅すぎる!」と主張、フレンツェンは「レース終了後2時間を経過したら不服申し立てはできないのがルールなんだ」と主張している。

ビショップは、「まず、デイモンとハインツ=ハラルドが良いスポーツマンであること、私たちがすでに分かっていたことだ。そして第二に、フェリペ・マッサの行動が賢明だと考えるF1関係者はそれほど多くないということだ」

「彼らの言う通りだよ」と語った。

また、ビショップは、現役時代にF1日本GPへ向かう飛行機でマッサと隣の席になり、雑談の中で2008年の最終戦ブラジルGPでチャンピオンを失った時の気持ちを聞いたことがあると『motorsportmagazine.com』で語った。

フェラーリ『599GTBフィオラノ』の素晴らしさについてクルマ談義を楽しんでいたマッサだったが、あの日の話になると「タフだった」としばし沈黙し、こう続けたという。

「ポールポジションを獲得した、ファステストラップも出した、レースにも勝った、これ以上できることはなかった」

「ルイスは最後の最後で5位になってチャンピオンになったけれど、それは僕にはどうしようもないことだった」。

■マッサが“正義”を求めて訴訟を起こした2008年シンガポールGPと、悔しい最終戦ブラジルGPとは

フェラーリの元ドライバーであるマッサは、2008年シンガポールGPでネルソン・ピケJr.が故意に行ったクラッシュをルノーが仕組んだせいで、ポールポジションからスタートしたもののポイント圏外の13位フィニッシュとなった。そのせいで、その年のドライバーズタイトルを失ったと主張し、F1とFIA(国際自動車連盟)、そしてバーニー・エクレストンを訴えているのだ。

この年は最終的に、F1参戦2年目のルイス・ハミルトンが初のF1ドライバーズタイトルを獲得した。しかも、マッサが今でも悔しがるのは、最終戦のブラジルGPでマッサは、ポールポジションからファステストラップを叩き出しながらトップでチェッカーを受けるという母国で完璧な週末をやり遂げており、その時点では誰もがマッサの初タイトルを確信していた。

しかし、その38秒後、レースの神様はハミルトンをF1王者に選んだ。最終ラップの最終コーナーでハミルトンは1台抜いて5位でフィニッシュしたことで、わずか1ポイント逆転して初のF1王者についた。

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