元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーによると、2024年初頭から始まった「シリー・シーズン」のドライバー市場において、“爆弾”のような動きはまだ終わっていないかもしれないという。
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ルイス・ハミルトンが今年限りでメルセデスとの契約を解除し、フェラーリに移籍するという決断を下してF1界と世界中のファンを驚かせたことで、7度のワールドチャンピオンに代わるドライバー候補はどんどん増えている。
そのうちのひとりが、メルセデスのリザーブドライバーであるミック・シューマッハだが、「ミックにメルセデスのチャンスはない。あそこはリーグが違うからね」とダナーは『Kolner Express(コルナー・エクスプレス)』紙に語った。
「(フェルナンド・)アロンソは電話するだけで、来てくれるだろうね。トト(・ヴォルフ)が突然ナンバー2ドライバーを欲しがれば、ミックが登場するだろう。しかし、メルセデスには常にトップドライバーがいる。バルテリ・ボッタスは例外で『1B』ドライバーだった。はっきりしているのは、トト・ヴォルフが(ジョージ・)ラッセルを強化するということだが、彼(ラッセル)はリーダーだということを示さなければならない」
しかし、ラッセルがメルセデスでハミルトンのようなステータスにステップアップできるかどうかは、ヴォルフ代表が本当に望む人物、マックス・フェルスタッペンを獲得した場合、議論の余地はなくなるだろう。
■フェルスタッペンも引き抜かれる可能性はある
ダナーは、ヴォルフからの金銭的なオファーとメルセデスの競争力が正しければ、「マックスでさえも」レッドブルから引き抜かれる可能性があると考えている。
「私は40年間F1に携わってきて、常に何でも可能だということを知っている。ジェンソン・バトンが2つの契約を同時に結んで喜んでいたのを覚えているよ」とダナーは笑った。
「どんな契約でも抜け出すことはできる。お金とマシンが合えば、過去のトラブルはすべて歴史になるのさ」。
■トト・ヴォルフはフェルスタッペンと契約するために全力を尽くすとレッドブルF1首脳
レッドブルのオーストリア人トップF1コンサルタント、ヘルムート・マルコ博士はそれを否定しない。「それがチームボスとしての彼の仕事だよ」とマルコは『Osterreich(オステライヒ)』紙に語った。「彼は最高のドライバーを獲得するために全力を尽くさなければならないからね」。
フェルスタッペンにはハミルトンのような契約解除条項があるようだが、マルコはオランダ人ドライバーが移籍する可能性は非常に低いと考えている。
「いいや、彼は記憶力がいいからね。過去にはあまりにもたくさんのことが起こった。シルバーストーン(2021年)やアブダビでのフィナーレの混乱を覚えている。それはあまりにも深い出来事だった」
マルコは、ヴォルフが最近、ハミルトンとは紙切れ1枚も挟めないほど親しかったと発言したことを思い出しながらこう語った。
「どうやらフェラーリの契約書はそうだったようだ」とマルコは笑った。
もしフェルスタッペンがメルセデスでハミルトンの穴を埋めることに同意したらどうするかと尋ねられたマルコは「それは除外するよ」と答えた。
■レッドブルF1は不安定
ダナーは、現在のレッドブルのF1の支配力は、特にクリスチャン・ホーナー問題が勃発する中で、微妙な状況にあると語った。
「もしホーナーが去ることになれば、エイドリアン・ニューイとの契約も怪しくなる。これはレッドブルにとって大きな問題だ。なぜなら、成功は常に安定の結果としてもたらされるものだからだ。そして、そういう人たちが離脱すると、すべてが混乱するものだ。フェルスタッペンだって、自分がまだ正しいチームにいるのかどうか考えることになるだろう」。