先週末にテキサス州オースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で開催された2023年F1第19戦アメリカGPでは、決勝後に行われた表彰式において優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対して大きなブーイングが浴びせられた。
ブーイングとともに、セルジオ・ペレス(レッドブル)の愛称である「チェコ」という名前を連呼する声も聞こえており、それはフェルスタッペンとの差が大きく開き、シート喪失の可能性さえ噂されているメキシコ出身のペレスを応援するメキシコ人、もしくはメキシコ系アメリカ人たちの不満の現れだったと考えられている。
■レッドブル全体を応援してほしいと呼びかけるペレス
こうした中、33歳のペレスは、今週末にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される第20戦メキシコシティGPではフェルスタッペンのことも応援するよう母国のファンに呼びかけている。
「オースティンでの応援はクレイジーだった」
そう認めたペレスは、次のように付け加えた。
「だから、メキシコでどうなるのか僕には想像もつかない。メキシコにも来てほしいけれど、僕だけでなくレッドブルチーム全体を応援してほしい」
■レース主催者もブーイング防止対策
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーとモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、メキシコでもまたブーイングは起こるだろうが、それほど心配はしていないと主張している。
しかし、レースの主催者側はかなり神経質になっているようだ。フェルスタッペンとペレスが描かれた看板をメキシコシティ周辺に設置し、スペイン語で「サーキットを離れればライバルではない!」というキャプションをつけるといったPR対策まで講じている。
■フェルスタッペンのために2人のボディーガードを手配
それにもかかわらず、マルコは、レッドブルが今週末のレースに向けてフェルスタッペンのために2人の個人ボディーガードを雇ったことを認めている。
「マックスは実際にはそれを望んでいないし、リラックスしているよ」
ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「だが、我々には彼に対する責任がある。だから、我々としては大事をとっておきたいんだ」
■フェルスタッペンはペレスのランキング2位キープをサポートできる
マルコはまた、ペレスが2023年のドライバーズランキングで総合2位をキープできるようフェルスタッペンがそのサポートをすることもできると主張している。だが、それはもちろん、チームオーダーを出してフェルスタッペンとペレスの順位を入れ替えるといったことではない。
80歳のマルコは、現在ペレスのランキング2位争いの最大のライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)に言及しながら、次のように語っている。
「マックスがハミルトンから奪うポイントはすべて、最終的にペレスの助けになるんだ」
2023年F1シーズンは残り4戦となったが、ランキング2番手のペレスと、アメリカGP決勝を失格によってノーポイントで終えた3番手のハミルトンのポイント差は、現時点では39ポイントとなっている。