先週末にモンツァ・サーキットで行われた今季のF1第15戦イタリアGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが第5戦マイアミGPから負けなしの10連勝を達成。
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これまでのF1記録であったセバスチャン・ベッテル(当時レッドブル)の9連勝を抜いて、25歳のオランダ人ドライバーであるフェルスタッペンがF1連勝記録の単独トップに躍り出た。
■フェルスタッペンの10連勝にそれほど意味はないとメルセデスのボス
だが、ライバルチームであるメルセデスを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO兼代表)によれば、10連勝はとりたてて特別なことではないという。
「私にはマックスがこの記録を大事に思っているかどうかはわからない。なぜなら、私にとってそれは重要なことではないからね。それはウィキペディアのためにあるようなものだし、それは誰も読まないよ」
ヴォルフがコメントを行う前には、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が、フェルスタッペンが楽々と今年のF1を圧倒できているのはレッドブルのチームメート(セルジオ・ペレス)が同じようにいないからだと示唆するコメントを行っていた。
ヴォルフは2014年から2016年までハミルトンとニコ・ロズベルグがしのぎを削り合っていた頃のことに言及しながら次のように付け加えた。
「我々の状況は少し違っていたよ。チーム内に2人のドライバーがいて、互いに競争していたからだ」
ちなみに、メルセデスでの連勝記録は、ニコ・ロズベルグが2015年から2016年シーズンにかけて達成した7連勝だ。
■「フェルスタッペンはミスをしない」とフェラーリのボス
一方、ヴォルフの反応とは対照的に、フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールはフェルスタッペンのF1新記録を称賛している。
「これは、この10レースだけの話じゃないんだ。過去2年間にわたって、彼は1度もミスを犯していないと思う。もちろん、最高のマシンに乗っているときはミスをしないようにするのが簡単だとしてもね」
そう語ったフランス出身の55歳のバスールは、次のように付け加えた。
「だが、我々は今日、彼がカルロス(サインツ)からのプレッシャーにどう対処したかを目にした。彼はペースでは自分にアドバンテージがあることがわかっていた。だから、彼はただ待ち続けていたんだ」
■フェルスタッペンだけが飛び抜けているとアレジ
1991年から1995年までフェラーリで戦った経験を持つ元F1ドライバーのジャン・アレジもフェルスタッペンの偉業を称えている。
「F1では2連勝するのさえ難しいことなんだ。最高のマシンだけではなく、最高のドライバーも必要だということさ」
「我々の時代にはウィリアムズが15周後にはほかのマシンを周回遅れにしていたことを覚えている。だが、そのような圧倒的強さは、今では本当に不可能なんじゃないかな?」
「競争はとても激しい。マックスひとりを除けば。誰もが接戦を展開しているよ」
■フェルスタッペンには欠点がないとアロンソ
現在ドライバーズランキングでレッドブル勢に次ぐ3番手に位置しているフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)も、現在のフェルスタッペンは特別な存在だと認めている。
2005年と2006年のF1チャンピオンであるスペイン出身のアロンソは、フェルスタッペンについて次のように語っている。
「彼は予選でベストであり、レースでもベストであり、バトルでもベストだ。これらを併せ持っているのは本当に素晴らしいよ」