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「F1の夢は終わったかもしれない」とフェラーリ育成ドライバーのシュワルツマン

2022年11月16日(水)19:53 pm

フェラーリのドライバー育成プログラムである“アカデミー”に所属するロベルト・シュワルツマンは、F1ドライバーになるという自分の夢はもう終わってしまうかもしれないと考えている。

■F1昇格の夢のために国籍をロシアからイスラエルに

本来、ロシア人ドライバーとしてジュニアカテゴリーを戦い、2021年にはF2選手権でランキング2位となったシュワルツマンだが、今年に入って起こったウクライナ紛争によって世界的にロシア人アスリートを排除する動きが出たことで、出生地であるイスラエルのライセンスに切り替えてモータースポーツでのキャリアを継続させている。

2022年はフェラーリF1チームのテストドライバーを務めている23歳のシュワルツマンだが、2023年のF1シートがどのように決まっていったのかを目にしたことで、自分の将来に対して悲観的な見方をせざるを得ない状況に陥ってしまっているようだ。

「今シーズンは本当に難しかったよ」

フィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』にそう語ったシュワルツマンは次のように付け加えた。

「残念ながら、僕はどこでも走らなかった。それはレーシングドライバーにとってはものすごく大きな失望だよ。まだどうなるかはわからない。だけど、F1に行くのは本当に難しいよ」

■ショックだったサージェントのF1デビュー内定

『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』によると、シュワルツマンがもう自分にはチャンスが巡ってこないのではないかと思った理由のひとつは、現在21歳のアメリカ人ドライバーであるローガン・サージェントが2023年にウィリアムズでF1デビューすることが内定したとわかったときだという。

下位カテゴリーでの成績に関してはサージェントを上回る実績を残しているだけに、サージェントの方にはF1昇格のチャンスが訪れ、自分にはその兆候すらないことにシュワルツマンは納得できないようだ。

ちなみに、サージェントは、アメリカの石油王として知られるハリー・サージェント3世と親戚関係にあり、そのルートからかなりの資金をチームに持ち込むことができるのではないかと考えられている。

ちなみに、サージェントが2023年のF1デビューを正式に確定させるためには、今週末にアブダビで行われる最終ラウンドでF1出走に必要なスーパーライセンスポイントを確保する必要がある。しかし、よほどのことがなければ、サージェントがF1昇格に必要なポイントを獲得できる可能性は高いだろう。

■実力だけではシートを確保できないのが今のF1

シュワルツマンは、悔しい気持ちを滲ませながら、次のように続けた。
「僕の夢がかなうかどうか? それはわからないよ」

「多分、そうはならないだろうと思えるし、悲しいよ。すごく懸命に取り組んできたからね」

「最近のF1はちょっと変だよ。チームがどのようにドライバーを決めているのか、いつだって本当によくわからないんだ」

シュワルツマンはそう語ると、次のように付け加えた。

「名指しするつもりはないよ。だけど、僕は常にスキルに基づいてシートが割り当てられているわけではないと思っている」

今季、フェラーリから第19戦アメリカGP金曜フリー走行1回目に出走し、非レギュラードライバーの中では最上位となる16番手につけたシュワルツマンは、今週末のF1最終戦アブダビGP(20日決勝)でも金曜フリー走行1回目に出走する予定となっている。

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