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【F1】3年か5年後にはチーム間のパフォーマンス差がもっと縮まる?

2022年09月21日(水)20:05 pm

今年から新たな技術レギュレーションが導入されたF1だが、これまでとの比較で最も大きく変わったのは、シャシーそのものがダウンフォースを発生する「グランドエフェクト効果」を持つマシンになったということだ。

その結果、高速走行時にマシンが大きく上下に振動するポーポイズ現象に悩まされたチームが多いのも事実だが、昨年までのように複雑な空力パーツが生み出す乱気流によってマシン同士が接近するのが難しくなるという状況がかなり改善されたのも確かだ。

それにより、レギュレーション変更の目的のひとつであったオーバーテイクやホイール・トゥ・ホイールのバトルが増えており、これに関してはほとんどのF1関係者やファンが好意的に受け止めている。

■バトルは増えたもののチーム格差は縮まっていない2022年のF1

しかし、レギュレーション変更のもうひとつの目的とされていたチーム間のパフォーマンス差を小さくするという点に関しては、まだ実現には至っていないのが現実だ。例えば、トップ3チームの中で順位変動はあったにせよ、今年もレッドブル、フェラーリ、メルセデスがほかのチームたちよりも大きく抜きん出ているという形には変化はない。

中団グループでも、多少の例外はあるにせよ、昨年と同じようにアルピーヌとマクラーレンがトップ3チームに次ぐ4番手の位置を争うという構図は変わっていない。

技術レギュレーションの観点からは、これまでよりも制約が厳しくなっていることから、理論的には各チームのパフォーマンスにもそれほど大きな差は出ないはずだ。

だが、実際にこうした差がついてしまっている原因は、マシンを開発する上での予算の違いだという見方もある。

■まだバジェットキャップの恩恵を受けにくい小規模予算チーム

今年は年間1億4000万ドル(現在のレートで約200億円)のバジェットキャップ(F1チーム予算上限値)が定められているが、実際のところ、大規模予算チームはそのレベルにまで予算を減らすためにチーム人員体制の縮小やその他のコスト削減に努めている。

その一方で、ハースやウィリアムズなどの小規模チームが準備できるF1活動予算はバジェットキャップのレベルにまで到達しない状況だ。つまり、現時点では大規模チームと小規模チームの開発予算には依然として大きな差があり、それがレースでのパフォーマンスにそのまま反映されていると考えてもいいだろう。

■チーム間の差が縮まるにはあと3年から5年必要だとハースのボス

小規模予算チームとして知られるハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、オーストリアの『Laola1(ラオラアインス)』に対し、「予算制限が本当に効果を発揮するのは、3年から5年後だ」と語り、次のように付け加えている。

「そうなって初めて、チームたちがもっと接近してくることになるだろう。今は、財政的な差がまだ大きすぎるよ」

F1のバジェットキャップは、シュタイナーが示唆したように、今後数年にわたって毎年引き下げられていくことになっており、数年後には各チームに認められる予算の差があまりなくなってくるだろうと期待されている。そうなれば、技術力や経験、独創的な発想による差が結果に反映される度合いが大きくなっていくかもしれない。

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