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フェラーリがけん制「F1は2022年のバジェットキャップを徹底するべき」

2022年03月31日(木)5:15 am

フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、F1はレッドブルやメルセデスが今年のバジェットキャップ(チーム予算上限)を守るよう徹底していく必要があると主張した。

これまでとは大きく異なる新技術レギュレーションが導入された2022年のF1だが、ここまでに2レースを終えた段階では、最も強力なF1マシンを手にしているのはフェラーリだと考えられている。

現在ドライバーズランキングトップに立っているフェラーリのシャルル・ルクレールは、開幕戦バーレーンGPではポールポジション、優勝、ファステストラップの全てを達成する完全勝利を飾っている。

第2戦では終盤にレッドブルのマックス・フェルスタッペンに逆転を許したものの、僅差の2位でフィニッシュし、現時点ではフェルスタッペンとの間に20ポイントもの差がついている。

だが、まだ2レースが終わったばかりであり、少なくともあと20レースが残されているとすれば、シーズンが進むにつれてチーム間の力関係に変化が生じてくることも十分に考えられる。

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、現在の状況について母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語っている。

「これらの新車はまだ開発の初期段階だ」

「現時点では、フェラーリが一番進んでいると私は思っている。だが、レッドブルはシーズンを通してクルマを速くすることに長けている」

「フェラーリはそれに対抗しなければならない。そうしなければ、タイトルを獲得するのは難しくなるだろう。でも、彼らもそれはわかっていると思うよ」

フェラーリを率いるビノットにとって、レッドブルとメルセデスの脅威に対抗するためのひとつの手段は、全てのチームが年間予算を1億4000万ドル(約170億円)と定められた今年のバジェットキャップをきちんと守るよう、F1や統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に働きかけることだろう。

伝えられるところによれば、レッドブルやメルセデスは、新型コロナウイルスのパンデミックや、ロシアのウクライナ侵攻などによる世界情勢の変化によって世界経済がインフレ傾向を示しつつあることなどを理由に、今年のバジェットキャップを増額修正することが必要だと主張しているという。

だが、ビノットはイタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』に次のように語った。

「それは開発のペースに影響を及ぼすことになる」

「これは重要な要素だと思うし、私が懸念しているのは、我々がそれをきちんとコントロールできるようにする必要があるということだ。それが、言ってみれば、開発競争におけるゲームチェンジャーになるかもしれないからね」

F1最高責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリも、「財政管理」がFIAの重要な役割であることを認めている。そして、パリに拠点を置くFIAは現在、「監視者としての役割をさらに強固なものにするための準備を整えている」ところだという。

ビノットは、2008年以来となるコンストラクターズタイトル、2007年のキミ・ライコネン以来となるドライバーズタイトル獲得を目指すフェラーリにとっては、このバジェットキャプが非常に重要だと主張している。

「全ての開発が重要になるが、予算の上限がある以上、すぐに全てを費やすことはできない」

そう語ったビノットは、シーズン中の開発力という点ではレッドブルとメルセデスが強さを持っているのは間違いないため、その開発のために予算をふんだんに使うことができないように規制することが重要なのだと次のように続けた。

「ライバルたちがこの分野で非常に強いのは事実だ。一方、フェラーリとしては2017年と2018年に2回(タイトル挑戦の)チャンスがあったものの、開発力の違いによって勢いを失ってしまった」

「それ以来、我々はツール、風洞、方法論、プロセス、シミュレーターを改良してきた。現在の我々は、開発においても正しい仕事をするために、以前よりもずっといい準備ができていると思う」

そう語った52歳のビノットは次のように付け加えた。

「現在はバジェットキャップがあり、それが開発ペースに影響を与えることになる。私はそれが重要な点だと思っている。私が懸念しているのは、この点について正しいポリシーを持つ必要があるということだ」

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