2022年1月2日、NHK BS1にて「BS1スペシャル 30年振りの栄冠!ホンダF1 最後の戦い」(20:00~21:49)が放送される。
■本田宗一郎「勝って世界一になる!」
「勝って世界一になる!それをモノ作りに活かす」
ホンダ創業者、本田宗一郎の言葉だ。
レースは会社のDNAとして、長年、ホンダは世界最高峰の自動車レース、F1に挑戦してきた。激しい競い合いのモータースポーツを通じて、最先端技術を開発。技術力を基に会社を大きく成長させ、若いエンジニアの育成を行ってきた。
■F1撤退を決断
しかし、ホンダは2021年限りでF1からの撤退を発表した。
地球温暖化を防ぐ、脱炭素の目標に向けて、資金、人材など会社の資源を集中させるためだった。
社内で撤退に奮起したのは、F1マシンの心臓部、パワーユニットを開発してきた技術者たち。開発責任者の浅木泰昭は覚悟を決めた。
「このままでは終われない!最後の年に、何が何でもチャンピオンを獲りたい」
1番になるために、ホンダの技術者たちは「もっとパワー!もっと速く!もっと信頼性!」を合言葉に、全力で技術を磨き上げた。
短期間に開発するために、3Dプリンターで部品を作ったり、ジェット機部門の技術を応用したり、全社体制のオールホンダで挑んだ。
■ホンダF1最後のシーズンは快進撃
そして3月、2021年シーズンが開幕。
新しいパワーユニットを搭載したレッドブル・ホンダのF1マシンが躍動する。
伝統のモナコGPで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がメルセデスの絶対王者、ルイス・ハミルトンを破り、ホンダF1とともにモナコで初勝利を記録した。
さらに、シーズン前半戦、チームとして5連勝するなど、快進撃を達成した。
■チャンピオン争いは同点で最終戦へ
しかし、その後、相次ぐクラッシュやメルセデスの猛烈な巻き返しを受ける。チャンピオンシップのドライバーズランキングは歴史上かつてない激戦が繰り広げられ、最終の第22戦アブダビGPを前に、チャンピオンを争う2人はポイント数は同点で並んだ。
■劇的なラスト5周、ホンダF1が30年ぶりの栄冠
レースはハミルトンがフェルスタッペンを引き離していく。しかしラスト5周、誰もが負けたと思った瞬間、勝利の女神がフェルスタッペンとレッドブル・ホンダに舞い降りた。
なぜ、ホンダF1は30年ぶりの栄冠に輝いたのか?
番組ではレース映像と関係者の証言を積み重ね、ホンダF1、最後の戦いを克明にドキュメントしていく。
■フェルスタッペン「ホンダの人たちの努力が実って本当に嬉しい」
7冠の王者ハミルトンを破ったフェルスタッペンは、ホンダF1との最後のシーズンを次のように振り返った。
「ホンダにとって最後のレースでこのようなすばらしいチームと最高の結果を出せて信じられないくらい嬉しい」
「この結果を目指して、われわれが一緒に歩んできた道のりはすばらしいものだった。ホンダの人たちの努力が実って本当に嬉しい」