2週間前に行われた今季のF1第17戦アメリカGPでは体調不良を抱えていたと伝えられていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だが、今週末に行われる第18戦メキシコGP(7日決勝)には万全の体調で臨むことができるようだ。
テキサス州オースティンでのアメリカGP決勝後にはチームメートのセルジオ・ペレスが体調不良に陥っていたことを認めていたが、その後フェルスタッペンの方も同様に体調不良に苦しめられていたことも明らかになっていた。
だが、このほどレッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)がドイツの『Sport1(シュポルト1)』に語ったところによれば、すでにフェルスタッペンは完全に復調しているという。
「彼は普通の風邪のウイルスに感染していたんだ。それはコロナの時期でも感染することがあるもので、それによって彼は少しばかり苦しんでいたよ」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「彼が本当に万全ではないと感じていたのはレース序盤だけだったんだ。その後彼はコックピット内で水をたくさん飲むことで改善していたよ」
オランダ出身ドライバーであるフェルスタッペンはわずかに青みがかった目の色をしているが、マルコはアメリカGPで体調不良を抱えていたフェルスタッペンの目の色が「完璧な黒に変わっていった」とコメントしていた。
F1関係者の中には、そうした症状を抱えていたフェルスタッペンを走り続けさせたのは“安全上の問題”から好ましくなかったのではないかと指摘している者もいるようだ。
だが、マルコはそれについて次のように主張した。
「彼に危険が及ぶことは全くなかったよ。それどころか、彼がレースで見せたスピードは並外れたものだった。それだけではなく、彼はグランプリのどの段階においても素晴らしかった」
「例えば、彼はレース中に、ペレスを戦術的に投入するなら今だと指摘するだけの力をまだ持っていたよ」
そう語ったマルコは微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。
「実際のところ、それはガレージにいるエンジニアの仕事だがね」
体調不良を抱えながらもアメリカGPで今季通算8勝目をあげ、タイトル争いのライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)との差を12ポイントに広げたフェルスタッペンだが、今季もまだ5レースが残されており、タイトルの行方がどちらに転ぶかはまだ予断を許さない状況だ。
マルコは、その5レースの中でも、今週末のメキシコGPと来週末に行われるブラジルGPは自分たちレッドブル・ホンダにアドバンテージがあるだろうとの考えを示している。
しかし、マルコはメルセデスを甘く見るつもりはないと示唆しながら次のように語った。
「セットアップに関しては、メルセデスの方が我々よりも早くマシンをスピードに乗せることができる。我々のマシンはもっと複雑だから、もっと時間がかかる場合がある」
「だが、もしマックスが次の2レースで勝つことができれば、我々はタイトル獲得に向けて大きく前進できるよ」