レッドブルが、メルセデスの前F1エンジン開発責任者の獲得に成功したようだという報道を否定した。
最新の報道によれば、昨年までメルセデスのF1エンジン開発責任者を務めていたアンディ・コーウェルがすでにレッドブルが新設したF1エンジン部門であるレッドブル・パワートレインズと契約を結んだ可能性が高いという。
レッドブルでは2022年以降自分たちでF1エンジンの製造を続けていくことになっているが、そのためにメルセデスからすでに10数名のスタッフを引き抜いたことが明らかとなっている。
そして、もちろん、レッドブルが最強F1エンジンと呼ばれるメルセデスエンジンの開発において中心的役割を果たしてきたコーウェルの獲得を目指しているのは間違いないだろう。
メルセデスのF1エンジン部門であるメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインのマネジングディレクターを務めていたコーウェルはすでに2020年6月にその職を離れており、今後は自分で新たなビジネスをスタートする計画を持っていると伝えられている。
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チーム代表)は、今週早々、そんなコーウェルがレッドブルに行くとは考えられないと次のように語っていた。
「彼はこれまでとは違うことをやりたいと思っているんだ」
「彼はテクノロジーや持続性に関するワクワクするようなアイデアを持っているよ」
「彼は私にこう言ったんだ。『もしF1に残りたいと思うなら、私はメルセデスに残るだろう』とね」
だが、今季のF1第5戦が行われているモナコで最新の噂に関して質問されたヴォルフは次のように答えた。
「私はアンディとは毎週違う件で話をしているし、私の目には彼がレッドブルへ行くようには見えないよ」
「だが、このスポーツにおいては考えられないことが起きるのを何度も見てきた。それが本当なら大きな驚きだよ。我々が話していたこととは違うわけだからね」
「しかし、起業の道を歩み続けるにせよ、別の役割でF1に復帰するにせよ、彼の決断を妨げるものは何もないよ」
しかし、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、コーウェルがすでにレッドブルと契約を結んだという今回の噂は間違いだと次のように語っている。
「当然ながら、我々の新しい事業に加わる人材に関する話題が多くのメディアに取り上げられている」
「だが、アンディが我々に加わることに同意したようだという記事を今朝読んだときには驚いたと言えるよ。なぜなら、それは事実ではないからね」