アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、フェラーリがなぜミック・シューマッハのF1デビューチームをハースに決めたのか分からないと語った。
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フェラーリと技術提携契約を結び、エンジン供給以外にもいくつかの技術支援を受けているアルファロメオだが、2021年も今季同様キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィのドライバーラインアップで戦うことになる。
少し前には今年F2選手権でチャンピオンとなったミック・シューマッハが2021年にアルファロメオからF1デビューするのではないかと言われていた。だが、ミック・シューマッハを契約下に置くフェラーリはアルファロメオではなく、同じく技術提携契約を結んでいるハースを彼の最初のF1チームに選んでいる。
ミック・シューマッハがアルファロメオではなくハースへ行くことになった理由について質問されたバスールはスイスの『Blick(ブリック)』に次のように答えた。
「さっぱり分からないよ」
「多分、フェラーリとしてはミックをハースに行かせ、ジョビナッツィを我々のところにとどめてチームの安定を図る方が意味があると考えたんだろうね」
これまで2008年にはやはりフェラーリのアカデミー所属ドライバーだったシャルル・ルクレール(現フェラーリ)をデビューさせ、2019年に同じくフェラーリとの契約下にあるジョビナッツィを起用するなど、フェラーリと密接な関係を維持してきたアルファロメオだが、2021年にはフェラーリ最大の期待の星とも言えるミック・シューマッハがハースに所属することで、ハースとフェラーリの関係がアルファロメオ以上に密接なものとなるのは確かだろう。
実際のところ、フェラーリから出向するような形で2018年からアルファロメオのテクニカルディレクターを務めていたシモーネ・レスタ(2019年7月にフェラーリ復帰)が2021年には今度はハースに加わることが明らかとなっている。これはミック・シューマッハのサポートのためだと考えられている。
この人事について質問されたバスールは次のように答えた。
「悪いが、それもまた非常に難しい質問だよ。人生にはときどき奇妙なことが起こるものだ」
こうした状況の中、バスールは新技術レギュレーションが導入される2022年に向けてフェラーリとの技術提携契約を解除する可能性もあると示唆している。
「我々とフェラーリの契約は2021年までなんだ」
「次の契約は新しいクルマで戦う2022年から2026年までとしなくてはならないから、我々としては会計帳簿をチェックする必要がある」
「パートナーシップにおいては、いい時もあれば悪い時もあるということを常に考えておかなくてはならない。だから我々としても、何が最善の契約なのかということを自問しなくてはならないんだ」
「これまでは、フェラーリは信頼できるパートナーだったよ」
そう語ったバスールはフェラーリエンジンのパフォーマンス不足に苦しめられた2020年シーズンを振り返って次のように付け加えた。
「信頼性以外の点では、我々も自分たちの結果に満足することはできない。だが、今年はフェラーリにとって大きな災難だったに違いないよ」
一方、バスールは2021年もリザーブドライバーのロバート・クビサとタイトルスポンサーの『Orlen(オルレン)』がチームにとどまることになると認めている。
「非常に困難だった年だったが彼らは我々の活動全てに満足しているし、それは素晴らしいニュースだ」
そう述べたバスールは次のように付け加えた。
「あらゆるエリアで改善しなくてはならないことは我々も分かっている。そしてもしフェラーリのパフォーマンスが向上すれば、我々ももっと高い目標を設定できるだろう」