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【決勝レースレポート】フェルスタッペンとレッドブル・ホンダ、完璧な勝利で2020年を締めくくる/F1アブダビGP

2020年12月14日(月)0:05 am

2020年の最終戦となるF1第17戦アブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)決勝レースは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポール・トゥ・ウインの完勝でシーズンを締めくくった。

●【決勝レース結果】F1第17戦アブダビGP 決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

2位はバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3位はルイス・ハミルトン(メルセデス)。メルセデスは2014年以来、ポール・トゥ・ウインを達成してきたが、フェルスタッペンとレッドブル・ホンダは、最終戦で王者メルセデスに対して実力勝負で圧勝してみせた。

■最終戦は綺麗なスタート

レースはフェルスタッペンを先頭に綺麗なスタートで始まった。どのドライバーも無理して今年最後のレースを台無しにしたくなかったのだろう。

フェルスタッペンは、スタートおよびセーフティカーが入った後のリスタートも上手く決めて、後方のボッタスを引き離すことに成功。DRS圏内に入れないようギャップを築き、終わってみれば15秒もの大差をつけての圧勝だった。

レースの中団争いは、DRSによりいくつかオーバーテイクが見られたものの、DRSトレイン状態での走行が多く見られた。

前戦の優勝者セルジオ・ペレス(レーシングポイント)は19番グリッドからのスタートとなりわずか10周で14位まで順調に追い上げていたが、ターン17に入る前にトランスミッショントラブルが発生し、コース脇にマシンを止めてリタイアとなった。レーシングポイントでの最後のレースを終えた。ペレスは来季のシートが決まっていない中、実力をアピールする絶好の機会を失ってしまい、これがおそらくF1で最後の走行となる可能性もある。

また、このペレスのマシンの撤去に時間がかかり、バーチャルセーフティカーからセーフティカー導入に繋がった。

ここで続々とピットイン。多くのドライバーがハードタイヤに交換する。上位ではダニエル・リカルド(ルノー)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)がステイアウト。またこの時にカルロス・サインツ(マクラーレン)が不必要に遅い速度でピットレーンを走行したとしてレース後に調査されることになった。

14周目の再スタート後、フェルスタッペンは完璧なスタートを決めて、ファステストラップを叩き出してボッタスとの差を1.5秒以上に拡げ、DRSを使わせない安全圏でレースをリードする。

3番手のハミルトンは、早すぎるピットインに疑問を呈し、さらにハードタイヤが合わないのかバランスの悪さを無線で訴えた。

■フェラーリの失策

フェラーリの戦略は失策だった。ミディアムタイヤでスタートしていたルクレールは、グリップが落ちたことでタイヤ交換を求めるが、フェラーリはステイアウトを指示。しかし、ルクレールは順位をどんどん落とし、最終的にピットインしてハードタイヤに交換をした後、コースに復帰した時には最後尾の19番手と、戦略がまったく機能していないことが露呈した。

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はハードタイヤで走行し、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、エステバン・オコン(ルノー)、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)の隊列の先頭を走っていたが、35周目にミディアムタイヤに交換して15番手でコースに戻った。

恩恵を受けたのはダニエル・リカルド(ルノー)。リカルドは39周目にピットインしミディアムタイヤに交換したが、ベッテルが後続を抑え込んでいたことから7番手でコース復帰に成功した。

■フェルスタッペン、ポール・トゥ・ウインの完璧なレースで締めくくる

残り10周、レースをリードしていたフェルスタッペンは、バイブレーションを感じていた。メルセデスはガレージでタイヤを準備しており、トップ3の誰が動くのかに注目が集まったが、最終的には誰もピットインすることなく走りきり、フェルスタッペンは自身10勝目、今季2勝目を挙げた。

ボッタスは15秒後方の2位でフィニッシュし、メルセデスが6年間無敗だったアブダビGPでの記録は途絶えたが、ボッタスはハミルトンを倒した。しかし、そのハミルトンは肉体的に新型コロナウイルスの影響が残っていることを明かしており、万全ではなかった。

メルセデスの2台はフィニッシュ後、ホームストレート上でダブル・ドーナッツターンを披露して、2020年のダブルチャンピオン獲得を祝った。ハミルトンは7冠、チームは7年連続でのチャンピオンだ。

残留か否かという崖っぷちのアルボンは、着実に追い抜いて順位を上げ、終盤にはハミルトンまであと1.5秒と近づくも、直接メルセデスと戦うことはできなかったが、4位でフィニッシュして最低限の仕事は達成した。

コンストラクターズ・ランキング3位争いをしてきたマクラーレンは、ランド・ノリス(マクラーレン)が5位、カルロス・サインツ(マクラーレン)が6位でフィニッシュし、逆転でランキング3位を獲り、歓喜に沸いた。

同じくコンストラクターズ・ランキング3位争いをしてきたルノーは、ルノーF1チームとしては最後のシーズン。ダニエル・リカルド(ルノー)が7位に入賞、さらにファステストラップを獲得。チームメートのエステバン・オコン(ルノー)は9位でフィニッシュしたものの、コンストラクターズ・ランキングは5位に終わった。

8位はたびたびオーバーテイクを披露したピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)。ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)は11位に終わった。

10位には孤軍奮闘のランス・ストロール(レーシングポイント)。1ポイントしか持ち帰れず、コンストラクターズ・ランキングを4位に落としてしまった。

12位には最年長41歳のキミ・ライコネン(アルファロメオ)。アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)は16位に終わった。

13位と14位にはフェラーリ勢。苦しい戦いとなり、14位に終わったベッテルは後方から迫るドライバーに対して「食われるだろうね」と戦闘力不足を嘆いていた。これがフェラーリドライバーとしての最後のレースとなった。フェラーリはコンストラクターズ・ランキング6位でシーズンを終えている。

15位にはジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)。前戦はメルセデスでトップを走るなどその才能を見せたが、戦闘力の低いウィリアムズではここが限界だった。ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)は17位に終わっている。

18位は、おそらくこれがF1最後の走行となったケビン・マグヌッセン(ハース)はチェッカーフラッグ後、コース脇でドーナッツターンを披露。大クラッシュ・炎上で欠場したロマン・グロージャン(ハース)の代役として参戦2戦目のピエトロ・フィッティパルディ(ハース)は19位に終わった。

シーズンエンドを優勝で飾ったレッドブル・ホンダとフェルスタッペンは、2021年にメルセデスと戦えることを願っているだろう。

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