世界3大自動車レース制覇という目標を掲げ、2017年に次ぐ2回目のインディアナポリス500マイルレース挑戦を目指したフェルナンド・アロンソだったが、今年の挑戦は予選敗退という結果に終わってしまった。
2017年には同日開催のF1モナコGPを欠場して通称インディ500と呼ばれるアメリカで最大の歴史と人気を誇るレースに挑戦したアロンソだったが、そのときはインディカーの名門チームであるアンドレッティ・オートスポーツとのコラボレーションによって参戦が実現していた。
チーム名にはマクラーレンという語も入っていたが、事実上はアンドレッティのマシンや人材、ノウハウを用いての参戦であり、この年アロンソは予選で5番グリッドを獲得。決勝でも終盤にエンジントラブルでリタイアするまでトップ集団の中で走行を続けていた。
ところが、今年はインディカーへのフル参戦を検討しているマクラーレンが自らのチームを立ち上げ、独力でインディ500に挑戦。しかし、アロンソは33台までが出走を認められるインディ500の予選で34番手となり、決勝進出のチャンスを逃してしまった。
■アロンソとの契約は今後も続くとマクラーレン
だが、マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンは、このことが現在チームのアンバサダーを務めるアロンソとの関係に影響を及ぼすことはないと次のように語っている。
「我々のフェルナンドとの契約はインディアナポリス500以降も有効だよ」
ブラウンはさらに、今年のインディ500挑戦はうまくいかなかったものの、F1チームはそのうち優勝が狙えるところにまでいくはずだと次のように語っている。
「チームとして、我々は以前よりもかなりうまくやれているよ。私は今後2年から10年の間には再び勝利できると考えている」
しかし、今年の7月末には38回目の誕生日を迎えるアロンソがそのころマクラーレンF1チームで走っている姿を想像するのは難しいのが現実だろう。
■来年はインディカーフル参戦も?
うわさでは2019年に向けてアロンソはメルセデスもしくはフェラーリへの移籍を望んでいたものの、両チームがその要望を拒んだことから結果としてF1引退という道を選択するしかなかったのだとも言われている。
アロンソ自身はこうしたうわさを否定しているものの、このほどイタリアのテレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』が、あるF1関係者が匿名で次のように語ったと報じている。
「彼は報酬などいらないという条件で自分を売り込んでいたよ」
その報道が事実かどうかは定かではないものの、アロンソ自身が勝てるチームでなければF1で走るつもりはないと主張しているだけに、今後アロンソがF1復帰を果たす可能性はそれほど大きくはないと見るべきかもしれない。
アロンソの今年のインディ500挑戦はすでに終わってしまったが、昨年から参戦しているWEC(世界耐久選手権)も6月に開催されるル・マン24時間レースを最後にトヨタチームとの契約を更新しないことを明らかにしている。
自身では7月には来年以降の活動内容を明らかにできるだろうとしているアロンソだが、このままマクラーレンと組んでいても史上2人目となる3冠達成は難しいと判断すれば、インディ500で勝利するために前述のアンドレッティ・オートスポーツもしくは名門ペンスキーのフルタイムドライバーを目指すという選択肢もあるかもしれない。