今週末に行われるF1オーストリアGP(7月1日決勝)で、レッドブルがルノーの新PU(パワーユニット)コンポーネントであるMGU-K(運動エネルギー回生システム)を使うことを拒んだと伝えられている。
■レッドブルはグリッド降格ペナルティー回避を優先
スペインの『Marca(マルカ)』が報じたところによれば、ルノーでは今季のPUにこれまで昨年仕様のMGU-Kを装着していたが、ついに今季仕様となる新しいMGU-Kを実戦投入できることになったという。
だが今年のエンジンルールでは、MGU-Kについてはシーズンを通じて使用できる数が2基に制限されている。そしてレッドブルのダニエル・リカルドはすでに2基目を投入しており、マックス・フェルスタッペンも第6戦モナコGPで3基目を投入済みとなっている。
つまり、もしレッドブルのドライバーたちがオーストリアGPでルノーの勧めに従って新しいMGU-Kを装着すれば、ホームレースでグリッド降格ペナルティーを受けてしまうことになる。そして、レッドブルとしては少なくともホームレースでグリッド降格を受けることは避けたいとの思いから新しいMGU-Kの装着を拒否したと伝えられている。
■問題はあるが受け入れるしかないとルノー
「オーストリアにおいて望むクルマにはすべて(新MGU-Kが)装着できるようになる」
そう語ったルノーF1プロジェクト責任者のシリル・アビテブール(マネジングディレクター)は次のように続けた。
「すべてのチームが新しいスペックのものを使う選択をしたわけではないが、これは我々がずっと待ち望んでいたものなんだ」
「それを使用しないことを選択したところがあるというのは問題だよ。彼らはこれまでと同じ技術スペックのMGU-Kを使い続けることになるが、それは信頼性の面で大きなリスクを抱えることになるからね」
「だが、我々はすべての情報を提供した上で各チームの選択を受け入れるよ。それが我々の方針だからね」
■アロンソもグリッド降格の可能性
ルノーの2人のドライバーとマクラーレンのストフェル・バンドーンは前戦フランスGPが終了した時点では1基目のMGU-Kを使用しており、当然今週末のオーストリアGPで新MGU-Kを投入してくることになるだろう。
だが、マクラーレンのフェルナンド・アロンソに関してはすでに第7戦カナダGPで2基目のMGU-Kを投入しており、もしオーストリアで3基目を投入することになればやはりグリッド降格ペナルティーを受けることになってしまう。
アロンソとマクラーレンがこれについてどういう選択をするのかはまだ明らかとなっていない。