今年ザウバーからF1デビューを飾ったシャルル・ルクレールが、まだF1で学ぶべきことは多いものの確実に自信がつき始めていると語った。
モナコ出身の20歳のルクレールだが、その走りに関しては高い評価が与えられており、将来は7度王座についたミハエル・シューマッハや伝説的ドライバーであるアイルトン・セナに匹敵するようなドライバーになるだろうとの意見もある。
■セナらが引き合いに出されることは大きな誇り
2017年にF2の年間王者であり、フェラーリの支援を受けるルクレールはこうした評価があることについてどう思うかと質問されると次のように答えた。
「すでにそういうドライバーたちと関連づけられるのはもちろんものすごく誇らしいことだよ」
「だけど、僕はそういうたぐいのことは無視するつもりさ。だって僕にはF1で学ぶべきことがまだたくさんあるからね」
だが、スイスの『Blick(ブリック)』紙から現役時代に4度F1王者となったアラン・プロストでさえルクレールのことを高く評価していると聞かされたルクレールは次のように答えた。
「それは僕にとって大きな自信につながるよ。僕たちはだいぶ前からお互いに知っているんだ。彼は南フランスに家をかまえているからね」
■評価急上昇の理由はアロンソとのバトル
ルクレールは自分の評価が高まった理由のひとつに、今年のF1第4戦アゼルバイジャンGP決勝においてトップドライバーのひとりであるフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)とバトルを演じてオーバーテイクしてみせたことがあるのは間違いないだろうと考えている。
「2回F1チャンピオンになったあれほど攻撃的なドライバーとの戦いはほかのほとんどのドライバーたちと戦うときの2倍くらい学べるよ」
そう語ったルクレールはほほ笑みを浮かべながら次のように付け加えた。
「それに、フェルナンドも最初はミナルディで後方の位置から(F1を)始めたわけだしね」
■今季序盤は苦戦も徐々に本来の力を発揮
とはいえ、新人のルクレールが今季最初のレースから活躍できていたわけではない。開幕戦オーストラリアGPと第2戦バーレーンGPではザウバーのF1マシンに慣れるのにてこずり、予選では先輩チームメートのマーカス・エリクソンに及ばなかった。第3戦中国GPでは予選で初めてエリクソンの上に出たものの、決勝では逆転されてしまっていた。
だが、第4戦アゼルバイジャンGPでは予選でエリクソンに大きな差をつけると決勝でも果敢な走りを披露。レッドブル勢が同士打ちして消えるなど上位勢に波乱があったことも幸いして6位に入賞。続く第5戦スペインGPでもエリクソンを予選で上回って2戦連続でQ2に進出。決勝でも10位に入って2戦連続でのポイント獲得を達成している。
「クルマに関する情報を得れば得るほど自信も深まっていくんだ。多分、最初の2レースではそれが足りなかったんだと思うし、そういうときはミスもするものさ」
そう語ったルクレールは次のように付け加えている。
「それに加えて、F2からF1に上がるのはみんなが想像する以上に大変なことなんだ。タイヤマネジメントはそれ自体が科学のようなものだからね」
ルクレールは今週末は母国モナコで今季の第6戦に挑むことになる。