元F1ドライバーで元フェラーリ・テストドライバーでもあったルカ・バドエル(47歳)は、2013年12月末にミハエル・シューマッハがスキー事故に遭って以来、「定期的に」訪れていたと明らかにした。
先週、ミハエル・シューマッハの元チームメートだったルーベンス・バリチェロが、シューマッハの家族から訪問を拒否された事を明らかにしたばかりだ。
ルカ・バドエルは「僕は定期的に彼を訪ねているよ」と、イタリアの『Diariodelweb.it』に語った。
「しかし彼の家族は周囲に秘密を保つ事を望んでいて、僕はご家族の意志を完全に尊重している。ご家族はマイケルのためにできる事すべてをしているんだ」
「コリーナ(ミハエル・シューマッハの妻)は、ごくわずかな人たちだけに訪問を許しているんだ。論争は避け、彼女が望む事を尊重しようよ」。
■当時のミハエル・シューマッハが語った「バドエルは大事な友人」
フェラーリで黄金期を築いたミハエル・シューマッハは、フェルナンド・アロンソ(当時ルノー)に2年連続チャンピオンを奪われた2006年シーズンを最後に一度目の引退をし、2007年からはフェラーリでアドバイザー的役割を担っていた。
そして2009年、フェリペ・マッサの大事故後に代役としてフェラーリからF1復帰を要請されたものの、個人的な"かかりつけ医"と相談の上「F1に耐えられる身体的な準備が整っていない」という理由で断った経緯を当時、記者会見で述べていた。
そして、フェリペ・マッサの代役としてルカ・バドエルが起用された事について、当時のミハエル・シューマッハは次のように語っている。
「まず言いたいのは、ルカは僕の大事な友人なんだ。これまで何年にも渡って、彼はいつもレース出場に最善の方法で自分自身を準備してきた。これは彼の仕事だよ。テストの準備ができているし、何かが起こった場合に備えていたんだ」
「彼はただそこに座って、何かが起こるのを待っているような人ではない。フェリペの事故後、彼はいつでも準備ができていて、明らかにすごく頑張っていた。我々(医師やマネジャーなど)は常に、僕がまず身体的な準備が整っているという確認が必要だと言ってきたけど、彼は今すぐ準備ができているのが普通なんだ」
「彼とチームの事を知っていれば、フェラーリが選べる最良の選択だと思う。彼がしばらくレースをしていないのは事実だけど、ドライバーは決してレースで戦う精神を失う事はないんだ。彼にはこの難しい仕事をやり遂げて欲しいと願っているよ」。
■ミハエル・シューマッハとフェラーリを支えたバドエル
ルカ・バドエルは、ミハエル・シューマッハが一時代を築いたフェラーリ黄金期を1997年からテストドライバーとして支えており、その開発手腕には定評があった。
2009年にはフェリペ・マッサがハンガリーGPレース中の頭部負傷により欠場した際、1999年のミナルディ以来10年ぶりにF1レースへフェラーリから復帰した。
しかし出場した2戦とも散々な結果に終わり、イタリアGPからは同じイタリア人のジャンカルロ・フィジケラが代わりに乗る事になる。バドエルにとってはこれが最後のF1GP出場となった。翌年の2010年末にはフェラーリを離れている。
■F1ベルギーGPが最後のF1参戦となったバドエル(写真右後方)
■トヨタやフォース・インディアと戦うフェラーリのバドエル
■当時のチームメートはキミ・ライコネンだった