F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は2017年12月下旬に2018年には俗に「トリックサスペンション」と呼ばれているフロントサスペンションシステムを禁止すると発表した。
このシステムはステアリングの切り込み量に応じてフロントサスペンションが車高を制御し、コーナーでのダウンフォースを稼ぐ仕組みとされているものだ。
現在、3強と言われるメルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルを始め、マクラーレンなども2017年にはこれに類似したシステムを導入しているが、禁止されているアクティブサスペンションに似た効果を発生することからその合法性に疑問の声があがっていた。
そして、2018年にはそうした仕組みを持つサスペンションが正式に禁止されることになったわけだが、メルセデスAMGやフェラーリはともかく、非力なルノーPU(パワーユニット)を搭載するレッドブルにとってはかなりの打撃となるのではないかと考えられている。
しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、それによる影響はあまりないとドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「我々の戦闘力がそのことで制限されることはないよ」
それどころか、レッドブルの2018年シーズンに向けた新車開発は順調に進んでおり、シーズン開幕と同時にメルセデスAMGやフェラーリと互角の戦いを展開していくつもりだとマルコは主張している。