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【新F1】新パワーユニットはMGU-H撤廃「シンプル、安価、大音量」でファンもメーカーも満足

2017年11月01日(水)6:40 am

FIA(国際自動車連盟)、F1オーナー、および現在と将来のF1マニュファクチャラー代表は10月31日にパリで会議を行い、2021年以降のF1パワーユニットについて明確な方向性を示した。

次世代のF1パワーユニット(PU)のコンセプトは、「サウンドの改善」、「コストの削減」をしつつ、「チーム間の戦い」を生み出すものとして提案された。

■ホンダに朗報?

「1.6リッター、V6ターボ・ハイブリッド」は維持されるものの、エンジン回転数は3,000回転引き上げられ、現行の15,000回転から18,000回転になる。

さらに、ホンダやルノーが苦戦してきた排気エネルギーを回生する「MGU-H(熱エネルギー回生システム)」が廃止。代わりにブレーキ時に発生するエネルギーを回生する「MGU-K(運動エネルギー回生システム)」が大型化され、「MGU-H」が除去された分を補完する。

そして、その回生されたパワーは、ドライバーがレース中に手動で使いたい時に使えるようにしていくという。

■【2021年以降のF1パワーユニット提案内容】
■1.6リッター、V6ターボ・ハイブリッド
■サウンドを改善するため、エンジン回転数を3,000rpm高くする
■開発コストを制限するため、極端なデザインや動作条件を阻止し、規定の内部設計パラメータ
■MGU-Hを取り外す(エンジン音を小さくしていた要因を撤廃)
■ドライバーがレース中にコントロールできる戦術的要素として、数周に渡ってエネルギーを節約できる(貯められる)ようにし、デプロイメントを手動で操作できることに重点を置いた、よりパワフルなMGU-Kの導入。
■寸法の制約と重量制限付きのシングルターボ
■エネルギーストア(バッテリー)およびコントロール・エレクトロニクスの標準化
■エンジン/シャーシ/トランスミッションの交換機能が“プラグ・アンド・プレイ”を提供するための高水準の外部規範的設計
■より厳しい燃料レギュレーションと燃料使用量の制限を検討する意向

■参戦メーカー数は増えるのか?

これにより、小さな独立系エンジンメーカーが参入しやすくなり、巨大な自動車メーカーと戦えることが期待される。

今回の提案により、高効率化を狙った現行PUレギュレーションには大きな問題があることがわかる。その問題とは、小さなメーカーが参入できないほど複雑で費用が嵩んでしまい、さらにF1で大事なエンジン音が小さくなってしまったことでファンが以前ほど興奮できなくなっていたことだ。

■新F1の明るい未来

F1のモータースポーツ・マネージング・ディレクターであるロス・ブラウンは、「現F1チームおよびF1に関心を示したメーカー」からの要望で議論が始まったことを強調した。

「我々は、ファンが現在のエンジンと近い将来に何を見たいかについて慎重に耳を傾け、 一連のレギュレーションを定義することを目的としており、よりシンプルで、安価で、ノイズ(音)の大きいパワートレインを示すことで、新しいメーカーがパワートレインのサプライヤーとしてF1に参入し、スポーツとしてより戦いが激しくなるような条件を作り出す」

「新しいF1は、最先端の技術と結びついた世界をリードするグローバルなスポーツ競技大会を目指している。すべての年齢のファンが興奮し、引き込み、畏敬の念を抱いてもらうために、サステイナブル(持続可能)な方法で実現する。未来のパワーユニットはこれらを達成するだろうと信じている」

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