2017年のF1マシンの最低重量が引き上げられることが明らかとなった。それでも、今年のF1がスピードアップするのは間違いないようだ。
1970年代にはわずか500kgほどだったF1カーの最低重量だが、その後徐々に増加傾向にある。そして昨年は722kgとされていた最低重量が2017年にはさらに728kgと、わずか6kgではあるが引き上げられることになった。
この重量増加は主に2017年から導入されることになった幅広タイヤに対応するためのものだ。
■ラップタイム向上は確実
だが、6kgとは言え重量が増すことで当初計画されていたF1カーのスピードアップに影響が出るのではないかとの懸念もある。
しかし、F1関係者の間では、その程度の重量増加であれば期待されている1周あたり4秒から5秒のラップタイム短縮は十分に可能だと考えられているようだ。
マクラーレンのテクニカルディレクターを務めるティム・ゴスは、2017年型F1カーの違いを次のように表現した。
「2016年までのコーナーのいくつかはストレートとして分類できるようになるだろう」
■ドライバーの身体的負担も確実にアップ
幅が広げられてダウンフォースが増強されたシャシーにグリップの高い幅広タイヤをセットした2017年型車はコーナリングスピードが増すとともに、ブレーキもこれまでよりも遅らせることができると考えられている。ということは、ドライバーへの横G、縦Gがさらに増すということだ。
これに備え、ドライバーたちは特に首の筋肉を鍛えるためにかなりハードなトレーニングを行っている。
今季ジェンソン・バトンに代わってマクラーレン・ホンダからフル参戦を果たすストフェル・バンドーンは、「今年はバルセロナのターン3をアクセル全開で走り抜けられるだろうとすごく期待しているよ」と語り、次のように付け加えた。
「僕はまだシミュレーターでしか走ったことがないけれど、現在の僕たちの予想ではアクセル全開でいけるはずだよ。実際にどうなるか、その答えはまだ待つしかないけれどね」