今年、マクラーレン・ホンダからF1フル参戦を開始するルーキーのストフェル・バンドーンが、チームメートのフェルナンド・アロンソと自分が常に比較されることになるのは分かっていると語った。
アロンソと言えば2007年にマクラーレンに移籍した際、チームメートとしてF1デビューを飾ったルイス・ハミルトン(現メルセデスAMG)との戦いに苦戦し、両者の間に確執が生まれたという経緯がある。
バンドーンもルーキーながら非常に評価の高いドライバーであり、実際にシーズンに入るとアロンソとの間にピリピリとした関係が生まれるのではないかと考えている者もいるようだ。
■今季はバンドーンと戦うことが目標ではないとアロンソ
この件について質問を受けたアロンソは、スペインの『AS』に次のように語っていた。
「今、彼(バンドーン)は僕とタイトル争いをするドライバーではない。なぜなら、僕たちの目標は違うものだからね」
「僕たちはお互いに戦う必要もあるけれど、同時に協力し合ってチームを助けることも必要なんだ。今の困難な時期をできる限り短縮するためにね」
■まずはチーム力アップが最優先課題だとバンドーン
バンドーンも、現時点でのマクラーレン・ホンダは今後トップ争いができるようにするためにまだチーム力を高めていくことが最優先であり、今年はチームメート同士での戦いがそれほど激しいものになるとは思えないと母国ベルギーのラジオ局『Sporza(スポルザ)』に次のように語った。
「一番の目標はアロンソと一緒に頑張ってマクラーレンをトップに返り咲かせることだよ」
「もし僕たちがいい成績を残し始めることができれば、もちろん僕たちの間の競争も激しくなってくるだろうね。それはF1では当たり前のことさ」
「だけど、最初のうちは僕には学ぶことがたくさんあるのは確かだ。どうなるか本当に分からない状態でシーズンを迎えることになるのは、多分僕にとっては初めてかもしれないね」
■最強ドライバーのアロンソが自分にとっての指標となる
そう語ったバンドーンだが、将来的にF1タイトル獲得を目指す上で、アロンソと戦うことが大きな意味を持っているのも事実だと次のように続けた。
「でも、自分としては、F1タイトル争いをする力は持っていると感じているよ」
「いずれにせよ、僕にはアロンソといういい指標がある。彼は2度F1チャンピオンになっているし、今でもF1関係者のほぼ全員が、彼が現役ドライバーの中では一番力があると考えているんだからね」
「僕にとって、彼と一緒にレースができるのはすごくいいことだよ。マクラーレンではドライバーを平等に扱うから、僕たちには同じチャンスがあることになる。そしてもちろん、みんなは僕とフェルナンドを比較することになるだろうね」
■バンドーンはアロンソから多くを学ぶだろうとブラウン
長年マクラーレンを率いたロン・デニスの失脚後、新たにエグゼクティブディレクターに就任したザック・ブラウンも2017年のマクラーレン・ホンダのドライバーラインアップには大いに期待をしている。
「ストフェルとフェルナンドが同じチームにいるのは素晴らしいことだよ」
ブラウンは『Sporza(スポルザ)』にそう語ると、次のように付け加えた。
「ストフェルはとてつもないドライバーだし、将来のF1チャンピオンだよ。もちろん、彼はルーキーらしいミスもいくつかするだろう。だが、彼はアロンソから多くを学ぶと思うよ。2人のドライバーの間に大きな差ができるのは我々が意図するところではないからね」